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古代・中世の農業の生産性はどの程度だったのでしょうか。これまで断 片的に、古代バビロニアについてはヘドロトスが300倍と書いているとか、西欧中世は4倍程度で古代ローマよりも生産性 が低かった、それを考えると、300倍とかは非現実的とか、インドでは古代から二毛作が行なわれていたため、西洋と比べ ると倍の生産力があった、といったような情報に接してきましたが、これら各数値を体系的・総合的に論じた書籍はないもの だろうか、と常々思っていました。少し探してみたところでは、どんぴしゃという書籍を見つけることができなかったため、 個別に論じている論文などを読んで見ました。その結果、個別には、各々詳細な論述があることがわかり、しかもあまりネッ トなどで取り上げられていないようなので、ここでまとめて紹介してみることにしました。ご興味のある方はこちらをご覧ください。
今回、中国古代の農業生産性を調べるために、粟が1升あたり何粒あるか数えるため、粟を購入したのですが、ついでに粟粥を作って食べてみました。米粒の1/10くらいの大きさしかないので、スープのようにしかなららないのではないか、と思っていたのですが、意外にボリュームが出て、腹持ちする粥ができました(作り方はこちらのサイトを参考にしました)。 スーパーで売っているもち粟1/2カップを、ボウルに入れて4,5回研ぐ。その後なべに入れてカップ2杯の水を入れ、塩を小さじ一杯。火をつけて強火で一度煮立たせます。その後、弱火で20-25分煮ます。途中でお焦げができないように、時々火加減を見ながらしゃもじでかき回します。それだけ。 黍ご飯も作ってみました。作り方はこちらのサイトを参考にしました。 スーパーで売っているもち黍一カップを3回程軽く研いで、そのまま水を黍の上まで入れて一晩寝かしておく。翌日1.5カップに水を入れて、強火で沸騰させた後、弱火にし、数分煮る。これだけ。塩は入れず、何の味付けもしなかったのですが、米のご飯程の旨みはないものの、結構普通に食べれました。 漢代の生活に、また一歩近づけた気がしました。 #
by zae06141
| 2015-01-17 00:25
| その他歴史関係
サーサーン朝のホスロー二世時代に、サーサーン朝がエジプトを支配していた期間(619-629年)にエジプトで発行された銅貨です。ローマの銅貨の表面だけを、ホスローの肖像に変えたもの。裏面は「I 十字架 B」の文字が刻印されていて、Iはギリシア語の数字10(アルベット順で10番目の文字decanummium)を示し、Bは2(アルファベットの2番目の文字ベータ)を示し、12nummi(nummusが複数形となりヌーミーとなる)の額を表す銅貨とのことです。
(こちらの「世界のコイン」サイトから拝借した画像です。こちらをクリックすると大きな画像が見れます) 下の画像は、「Cambridge History of Iran 3-(1)(Seleucid,Parthian,Sasanid)p338Plate30-7」から引用した画像です。 サーサーン朝では、日常生活用に流通していた銅貨は、基本的にヘレニズム王朝とパルティアの銅貨で、サーサーン朝が独自に発行した銅貨は、儀式や賜与のために用いたとのことですが、このエジプト征服時の通貨は、日常生活用に流通していたものなので、このホスロー2世の銅貨は、数少ない、日常用銅貨といえるのではないかと思います。 十字架の話題ということで、一応クリスマス的な話題とすることができました。 ところで、ホスロー2世銅貨以外にもサーサーン朝の銅貨の画像を見つけましたので、取り合えず今わかっている分だけこちらにまとめてみました。レイアウトがしょーもないですが、ご興味のある方はこちらをご参照ください。 追記① アル・タバリーのホスロー二世の息子シールーヤの記事を読んでいて、南インド王プラケーシン二世と思われる、フルミーシャーという王がホスロー二世の治世36年目(626年)に書状を送ってきたという記述を見つけました。以前、「インドとサーサーン朝の交流と国境」の記事でご紹介したインド側のアジャンター石窟壁画のペルシア使節の図像と一致する内容です。双方の側で交流の情報があるということは、実際にサーサーン朝と南インド王との間で交流があった可能性はより高くなったのではないかと思います。ちょっと嬉しくなりました。 追記② ササン朝のエジプト占領中に書かれたパフラヴィー語のパピルス文書発見の記事(2010年12月) #
by zae06141
| 2014-12-25 00:25
| 古代イラン関係
昨年1月頃、インド史上の各時代の人口推計の根拠を調べてみました(概要をまとめた記事がこちら「インド人口史 -史料と推計-」にあります)。その結果、どうも、古代マウリヤ王朝時代からムガル帝国まで、安定的に5000万-1億人の人口があったとの推計は、意外に根拠が乏しく、過去の大雑把な推計が引用を重ねられている側面が強く、数値の妥当性に乏しい印象を受けました。今後、遺跡の発掘データなどを元に、抜本的に推計し直される余地が高いように思えました。この結果、ローマ帝国についても、人口6000万という通説の根拠はどうなっているのだろうかと、詳細を確認する必要がありそうに思えてきました。それでもその後、特に注力して調べようと思っていたわけでもなかったのですが、古代ローマ本を参照した時には、人口推計根拠の記載に留意するようになりました。『古代ローマを知る事典』p303では一世紀半ばの人口を6000万、1886年に初めてAD14年の帝国人口を算出したベロッホの研究では5400万、2012年に出版されてクセジュ文庫の『ローマ帝国: 帝政前期の政治・社会』では、6000-8000万とあるなど、その後参照した概説書で目に付いた推計人口数値の箇所にも、数字の記載はあるものの、根拠と推計方法のロジックを詳細に説明しているものはありません。
そんな折、昨年秋頃にたまたま目にした、筑波大学の林玲子氏の博士論文『世界歴史人口推計の評価と都市人口を用いた推計方法に関する研究(2007)』の「補足 地域別総人口データ 2 ヨーロッパ」の頁に、 「ローマ帝国全域にわたる人口推計値としてはBeloch(1886)の推計が有名であり、多くの学者に引用されているが、この推計のヨーロッパ以外、つまりアジア(トルコ、シリア等)、アフリカ(エジプト、リビア、マグレブ等)は、歴史書に現れる兵士数などを参照してはいるものの、推計自体はあり得そうな人口密度を面積にかけて求めたものである」 「Belochのヨーロッパ以外のローマ帝国人口数は、人口記録といった根拠に基づいて計算されてはいないことから、同時代の中国人口値に呼応させる形でBelochがローマ帝国人口値を設定したと考えられなくもない」 との記述を目にし、衝撃を受けました。そこで、注力して調べてみました(以下more)。 More #
by zae06141
| 2014-05-21 00:19
| 古代ローマ・ビザンツ関係
2013年ドイツ製作。日本でも邦訳が出ているノア・ゴードン作『千年医師物語1 ペルシアの彼方へ』の映画化です。米国の小説ですが、なぜかドイツで製作されています。Wikiの原作者ノア・ゴードンの記事は、英語版の文字数に対して、ドイツ語版の文字数は倍以上多いので、ドイツで人気があるということで、ドイツで映画化されたのだと思われます。見た限りでは、ドイツやドイツ人が一切登場しない作品です。映画『black death』やドラマ『大聖堂』は、英国も製作に関わっていますが、本作はドイツだけの製作にも関わらず、物語の1/3が英国で展開する話を作るのが凄い。場所をドイツに移しても本質的には関係なさそうに思えるのですが、もしかしたら、「世界の果てから来た」という主人公の立ち居地を強調するため、英国でないといけない、ということなのかも知れません。今回、いつにも増して取り留めのないことをずらずら書くだけの感想となってしまいましたが、とりあえず感想を書いてみました(以下more)。
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by zae06141
| 2014-05-09 00:17
| その他の時代の歴史映画・ドラマ
1994年当時、『ターミネーター2』が公開された時、予算の100億という数字に驚いたものです。1997年の『タイタニック』は予算200億という数字に呆然としました。しかし近年のハリウッド大作映画では、100億円の予算は月並みになってしまっています。米国や先進国だけではなく、グローバルでの興行収入を想定してマーケティングをやっているのだろうな~。いったいどういう地域売上比率になっているのだろうか。とこの半年くらい漠然と考えていました。一方、今月、昨年末に公開され大コケしたと評判の悪かった映画『47 Ronin』の興行収入が150億を突破しました。ロシアでは、過去ロシアで上映された歴代映画ベスト48位(本日現在。ロシア映画と海外映画含む。出典はこちらのロシアのサイトのランキング表)に入る興行収入を上げたとのことで、「日本でヒットしないのは仕方ないとしても、『47Ronin』自体は本当に駄作なのか」「宣伝やマーケティングに問題があったのではないか」などと若干興味が出できました。4月上旬のフランスでの公開を最後に世界各国でのロードショー公開が終了したので、この数値に基づいて、グローバル映画の売上地域構成の分析みたいなものをしてみました。売上数値は映画売上統計サイトBox Office Mojoのものを利用しています(以下more)。
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by zae06141
| 2014-04-29 00:34
| その他小説・映画関連
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