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今回はジャンル別に並べて見ました。
1,オスマン帝国史の諸相(感想)、イスラーム都市研究(感想)、エジプトイスラーム都市アル・フスタート 2.サンスクリット(感想)、インドの曙 ヴェーダとウパニシャッド(感想) 3.パフラヴィー語の文法と文学、ペルシア語の話(感想)、ペルシア文芸思潮(感想) 4.中国語の歴史、 5.インドの文学(感想)、サンスクリット文学史(感想)、フランス語の誕生(感想) 6.中国建築史の研究、トルコ・イスラム建築、Islamic Art and Architecture: From Isfahan to the Taj Mahal(感想) 7.宰相ラークシャサの印章(感想) 8.グローバル・ヒストリーの挑戦、グローバル・ヒストリーとは何か(感想)、経済史への招待 9.ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から 今年は図説ふくろうの本、山川リブレット、ユーラシアリブレット、新書ばかり読んでる気がしましたが、それ以外の本は手応えのある書籍がおおく、例年だと役立った本(専門書などは興味のある部分だけしか読まないので、半分くらいしか読まない本が多い)が多数あるのですが、今年はそういう本が僅かしか無く、専門的な書籍は、数が少ないものの、上記にあげた本は全部読了しています。 それにしても図説ふくろうの本、ここ2,3年狂ったようにたくさんでているように思えるのは気のせいでしょうか。河出書房新社のHPをみると、確かに2010年くらいから出版点数が急増しているような印象があるのですが、絶版となった書籍がHPに全て掲載されているのかどうか定かでは無いので、なんとも言えないのですが、印象ではここ数年の出版点数が激増している気がします。かつて中央公論社の「物語 世界の歴史」シリーズが結構好評だったことがあったかと思うのですが、「物語シリーズ」が頭打ちとなってきてしまい、読者の関心が「物語シリーズ」で描かれた地域への、視覚的段階へと向かったニーズを、図説ふくろうの本がうまく救い上げた、という気がします。ただふくろうの図説も、世界史については基本欧米なので、欧米以外の地域の図説シリーズも期待したいところです。 冒頭に並べた書籍を見直してみると、大体、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史、史料」本が殆ど全部です。自身の歴史への興味の対象が、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史・金融史、史料・映画」が中心であることを改めて認識した次第です。なぜこういうことになっているのかを考えてみるに、旅行に行った場合、その国に入国して最初に必要なものは、貨幣、簡単な言葉(挨拶、購買、など)の2つであり、入国して遭遇するものは、その国の視覚的な物体(建築物、風景)であるということが、「語学・文学」「建築・遺跡」「経済・金融」に対応しているように思えます。更に言えば、これらは、主観的な世界認識のあり方(言語・文学、風景(建築・遺跡)、映画、叙述的な世界認識)と、客観的な世界認識のあり方(経済・統計・データなど)に行き着き、多様な世界認識のあり方を知ることで、自身の先入観や価値観を耐えず相対化して視野を広げてゆき、現代世界とその行く末についての考えを深めることにあるのだと思った次第です。結局のところ、私の旅行や歴史への興味の大元には、現在世界とその未来へ思いを馳せる手段のなのだ、と思ったわけなのでした。 今年は、言語・文学史本として、「韓国語の歴史」「朝鮮文学史」、「ベトナムの詩と歴史」も図書館で参照しました。分厚いのと出版が古すぎる(いずれも1975年以前)こともあり、一部を読んだだけですが、言語・文学史料・作品にどのようなものがあるのか概要を知ることができて参考になりました。「アラビア文学史」、オランダ語とオランダ文学史本の「オランダ語誌」、ゲルマン語の概説史(他書との差別化の為にゴート語や北欧語史の分量が多い)本である「ゲルマン語入門」は購入しただけで読んではいないのですが、来年読みたいと思っています。ふくろうの本でも、図説ベトナム史やタイ史をそろそろ出して欲しいと思う次第です。 9行目にあげている「ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から」は、書籍ではなく、45頁のpdfですが、こういう情報をずっと読みたいと思って探していたので、まさに念願の内容が読めて感激しています。 古代ローマ時代の「長期的平和な時代の地方の中堅層」の主観的意識や客観的なあり方(訴訟や経済活動など)について、私にとってど真ん中の論考及び史料翻訳でした。皇帝の主観的記述であれば、マルクス・アウレリウスの「自省録」があり、県知事クラスの役人の主観的記述であれば、「プリニウス書簡集」が邦訳でも出ていています(キケロやカエサルも著作を残していますが、特殊な時代の特殊な人々であり、更に世界史上でも図抜けた人々なので、彼らに比べればもっと平凡で平和な時代を生きた人々の主観世界に興味があるわけです)。しかし、プリニウスクラスよりも更に下の階層は、そもそも後世に残るような著作を残したりしない階層なので、史料がより少なく、なかなか意識を知ることができないのですが、本pdfでは、古代ローマの地方の、しかもローマとかアレキサンドリアなどの特殊な大都市ではなく、エジプトの地方都市の郊外で荘園を経営している一族の手紙の翻訳(p21以降45頁までが翻訳)が掲載されています。当時の一般の人々は、皇帝を実際には何と呼んでいたのだろう。日々のカレンダーはどのような言葉で認識していたのだろう、など日常生活の意識や認識に関する記載が色々登場しています。 また、本論考の前半は、史料の分析を行っており、納税リスト(当時の地主層のランキングがわかる)や、文書の残る特定の年のある地主一家の収支決算、小作人との貸借関係や、州長官との距離感、アレキサンドリアのような総督所在大都市との関係、物価、農村部の貨幣経済、(ローマ政界に打って出るような人物を出すような特殊な家柄ではなく、あくまで地方で終わった一族の系譜の復元)など、社会史、数量経済史、地方行政史等かねがね知りたいと思っていた情報がふんだんに掲載されていて、この論考の存在を知ったのは午前零時を回り、寝る直前だったのですが、翌朝いつもより早めに出勤しなくてはいけなかったのにも関わらず、午前2時までかかって一気に全部読んでしまったのでした。ローマ時代は都市は遺跡がふんだんに残っているので景観はわかりやすいのですが、農村の景観はいまひとつイメージし難いものがあります。本論考は、ローマ時代の農村部の景観についても多くの情報を与えてくれました。自分の中では、ローマ時代への興味はこれで一区切りついてしまったようにさえ思える貴重な論考でした。こういう史料が帝政期のローマ全土について残っていてくれると嬉しいんですけれど。 今年は映画はあまり見ませんでした(といっても50本くらいは見ているので、平年並に戻ったということです。昨年が異常でした)。一位の「カティンの森」は、昨年であれば、11位というところでしょうか。 、 1.カティンの森(1940年のカティンの森事件) 2.緑の火(3世紀から現在までのイラン) 3.「壮麗なる世紀」(16世紀トルコ)第63話の最後の4分半 4.テレサ-キリストの体(16世紀スペイン) 5.ゼノビア(3世紀ローマ) 6.プリンセス・エーボリ(16世紀スペイン) 7.神弓(17世紀朝鮮) 8.「フード・インク」と「いのちの食べ方 Our Daily Bread」(グローバリゼーション批判) 最後の2本は、同じような傾向の作品なので同じ順位に並べました。聞き知ってはいたものの、食肉の製造がここまで機械化され、テニスボールのように鶏が製造されてゆく映像は衝撃でした。 ![]() ![]() ![]() (この後、雛は壁一面の棚の「引き出し」に入れられるのだった) 考えてみれば、子供の頃、実家の近所に養鶏場があり、孵った雛の雌雄をえり分けて、バスケットにポンポン放り込んでゆく作業や身動きできない棚に詰め込まれた成鶏を思い出すに、それが機械になっただけで、あまり変わらないわけですが、しかしまあ改めて、食事前に食肉・魚に限らず、野菜・果物含め、感謝する習慣が戻ってきました。キリスト教徒なわけではありませんが、日々の食事が他の生命の上に成り立っていることを忘れずにいたいと思います。 ところで、ベスト10に入れたい程ではありませんが、今年他に印象に残った作品には以下のものがあります。 ・プロメテウス エイリアン(1979年)のパクリ映像がよかった。前半「エイリアン」と同じようなカメラワークが何度も登場し、「最後までこれでいくのか、さんざんパクリ映像を入れておいて、どこかの時点でオリジナルに向かい、予想を裏切ってくれるのか」というような、ホラー映画(お約束と裏切りをうまく入れるのがミソ)を観るノリで楽しめました。 ・トータル・リコール 未来都市の映像に期待しましたが、期待外れ過ぎて反って印象に残ってしまいました。CGCGし過ぎで、80年代以前の未来都市絵画をそのまま映像化しただけな感じ。未来都市映像としては、「フィフス・エレメント」や「マイノリティ・レポート」と比べても新しさを感じなかったのが残念。 とはいえ、この二本は、「エイリアン」「ブレードランナー」「トータル・リコール旧版」を見ていない若い世代にとっては、この三本を公開時に観た世代が公開当時に受けたのと同じようなインパクトを受けるかも知れません。 ・Fetih 1453 1453年オスマン帝国によるコンスタンティノープル陥落を扱った、恐らくトルコ今年最大のヒット作。 予告編映像で予想したよりは良かったものの、やはりゲーム映像に見える部分も多く、CGで再現した末期コンスタンティノープルの宮殿が大きすぎ・きれい過ぎなど、感想を書いてて自分がわがまますぎるとは思うものの、もう少しリアリズムを追求した作品が将来的に登場して欲しいと思う次第です。 -2014年、面白かった書籍と映画 -2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10 -2011年に読んだ本・見た映画ベスト10 -2010年に読んだ本・見た映画ベスト10 ■
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by zae06141
| 2012-12-31 16:07
| その他小説・映画関連
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今年2012年は、12/24日現在34冊の本を読んでいます。うち8冊がインド史関連。現在と未来のインドを扱ったものを含めて広い意味でのインド史ものは11冊です。読書録からすると、今年はインドがちょっとしたインドブームだったような印象を受けてしまいますが、自分の中ではまったくそういう印象は無いのでした。読んだ書籍は面白く、参考になるものが多いかったものの、結局インドに旅行する気にはならなかったのでした。特に書籍「サンスクリット」には私の古代インド文化へのこれまでの印象が覆される程衝撃を受けましたし、「宰相ラークシャサの印象」も今年読んだ書籍ベスト10に入る面白さだったのですが、旅行熱に火がつく事態には至りませんでした。以下の○囲いの番号のものが、特に面白く、或いは参考になったもの。○がついていないものは、有用でないとは言わないけど、他書でも代替できそうな本、或いはイマイチだった本です。
①.インドの文明の曙-ヴェーダとウパニシャド(前15-8世紀頃を対象)感想) ②.サンスクリット(前5-後17世紀を対象:感想) ③.宰相ラークシャサの印章(5世紀作:感想) ④.遊女の足蹴―古典インド劇・チャトゥルバーニー(5世紀後半-6世紀前半の作) ⑤.遊女の手引き―クッタニー・マタ遣手女の忠言(8世紀末作:感想) 6.インド社会とカースト ⑦.マハラジャ 歓楽と陰謀の日々―インド裏面史(19-20世紀を対象) ⑧.グローバリズム出づる処の殺人者より(2007年作) 9.第三面の殺人(2007年作) 10.サイバラバード・デイズ(2023-55年頃を対象) ⑪.インドの文学(感想) 主だったものはアマゾンレビューに感想を書いてあるので、本記事では、それ以外の数点について内容と感想を記載したいと思います。 (1)「マハラジャ 歓楽と陰謀の日々―インド裏面史」 概説史レベルのインド通史書籍では、近代インドというと、東インド会社-英国植民地-独立運動という記載が殆どですが、歴史地図を見ると、藩王国というものが結構な領域を占めています。一方現在のインドを扱ったバラエティ番組などで、「マハラジャ」なる富裕な一族が紹介されることがあります。インド映画では、近隣の民衆に対して王族のように振る舞う地方地主が登場します。彼らは一体何者なのか。藩王国は実際どういうもので、現在にどのような形で残っているのか、と受験生の頃から漠然と抱いていた疑問を解消したくて読んだ書籍です。いくつか疑問は残るものの、英国支配時代の藩王国の実態や、インド連邦成立後のマハラジャ一族の末路などが具体的に紹介されていて、基本的な疑問は解消しました。端的に表現すれば、英国植民地政府と藩王国の関係は、幕府と諸藩、インド連邦成立時には廃藩置県が行われ、マハラジャ一族は明治時代の華族の如く、現インドに残っている。ということになり、「まあそんなもんなんだろうな」という感じ。特に驚くような情報があったわけでも無いのですが、具体的記載を知ることができて有用でした。幾つか残った疑問の中で大きなものは以下の2点。 -藩王国の家臣は、日本の江戸時代諸藩と違い、諸藩国の間を渡り歩いて、キャリア・パスを積んだりしていて、流動的。マハラジャの事例たくさん出てくるのでだいたいわかりましたが、一方、「家臣の一生」について気になるようになりました。 -英国植民地政府は藩王国の内政に関与せず、外交・軍事に特化する、英国は自国支持勢力確保の為、藩王国を設置することがあった、という点は理解しましたが、藩王国の市場を英国が独占するとか、多額の税金を受け取るなどの描写が出て来なかったので、英国にとって藩王国の利点はそれだけなのか気になりました。 (2)グローバリズム出づる処の殺人者より インド出身の著者による2007年の出版とのことで、匂い立つような21世紀のインド(ただし著者が渡米して米国の大学を出ていることもあり、半ば外から見たインドという印象もある)の香りが漂ってきます。出版社が保守の文藝春秋社なので、グローバリゼーションにネガティブなイメージを与える意図があったのものと推察しますが、こんな題名にしてしまったのは残念です。原題の「THE WHITE TIGER(本書では、種の中で目立つ異端者、の意)」を活かす訳題はなかったのでしょうか。 (3) 第三面の殺人 インド人著者の推理小説。孤立した館もの。英国支配時代、英文学の影響を受けたこともあり、海に面した絶壁の上に立つ館を雷雨が襲う雰囲気は、舞台がアイルランドや英国西海岸だと言われても納得できそう。登場人物達は確かにエキセントリックで、この点インドっぽいと思わなくもないけれど、館モノの推理小説に登場する人物はたいてい個性的過ぎるので、登場人物達の描写がインド人著者ならではの描写と言えるのかどうか。。。原文の味を出そうと訳者が意図したのか、訳の問題なのか、読みやすい文章ではありません。中盤で登場するディナーのメニューが、それれぞれインド史上の場所と年代に関連しているのですが、特に近世以降については、概説史書籍ではあまり目にしない年代・地名が多く、この辺りにインド人の歴史観が垣間見えるように思え、興味深くはありました。題名の「第三面」とは、「三面記事」の三面のことで、登場人物達が新聞の三面記事に登場するようなセレブを意味しているということです。現在インドのメディアにおいてセレブがもてはやされている状況に題材を取ったということのようです。同じアジア推理小説シリーズで、韓国、タイ、インドネシアの作品も読みましたが、巻末の解説によると、推理小説がジャンルとして根付いている国はまだまだ少なく、英文学の影響のあるインドはまだ作品がある方なのだ、ということがわかりました。既に出版されているのかも知れませんが、本シリーズの巻末の解説のような、その国の推理小説状況解説と短編をつけた世界推理小説短篇集を読んでみたいと思いました。 (4)「サイバラバード・デイズ」 英国SF作家の近未来インド短篇集。未来史ものが読みたかったわけではなく、インド人が自国の未来SF小説を書いた場合、そこから現在のインド人の意識を読み取りたいという意図でインドのSFを探していて遭遇した作品。2023年頃から2055年以降(恐らく2070年頃迄)のインドを描いています。2020年頃勃発した戦争でインドは8-12(数がはっきりしない。あとがきでは8とあるが、本文中(p127)に12の国が争う、との記載がある。ただし、12の国にはネパールやパキスタンが含まれている可能性がある)の国に分裂し、恒常的な戦争状態にあるという設定。主な国は以下の通り。 ・オウド アウドとも。都デリー。オウドとは、英国が付けた国名「インド」の訛りの模様(アワド太守国の領域かも知れない)。ガンジス河上流にクンガ・ダール(またはクンガ・カダール)ダムを構築し、2047年に下流の国々と”水戦争”を起こす) ・バラット 都ヴァラナシ、新都ラナプール。バラットは、現在のインドの正式名”バーラト”の訛り。大統領や首相をラオ一族がしめ、ラオ王朝と呼ばれる。ラナプールの名称は”ラオの都”。AIが演じるドラマ「タウン・アンド・カントリー」や、AI関連のソフトウェアが基幹産業で、ソープオペラ国家、データ・ヘイヴン国家と呼ばれる。 ・ベンガル合州国 水資源対策として南極から氷山を運び、人工的にモンスーンを起こそうとしている。 ・ラージプターナ(都ジャイプール) ・ネパール(都カトマンドゥ) 以下の諸国は舞台としては登場していないが名前が登場している。 ・マラータ ・カルナタカ 残りの国が以下である可能性がある(明確に言及されていない) ・カシュミール ・タミル・ナドゥ ・パンジャープ 各短編の舞台と年代は以下の通り。 「サンジーブとロボット戦士」(2023年、バラット) 「カイル、川へ行く」(年代不明。バラット) 「暗殺者」(年代不明。ラージプターナ) 「花嫁募集中」(2045年、オウド) 「小さき女神」(2034-43年、ネパール、オウド、バラット) 「ジンの花嫁」(年代不明(モンスーンが来なくなってから3度続いた旱魃の年(2050年に「この七年間で4回モンスーンが来なかった」とあるので2045年頃?)、オウド) 「ヴィシュヌと猫のサーカス」(2023年頃-2055年。最後の方は2050年頃から数十年後(2070年頃?)の模様。) 【小道具(ガジェット)】 AI 世代レベルがある。米国は人権擁護の為レベル2.5以上を違法化するハミルトン法協定をインド各国に迫っている(短編により、2.8より下は検査とライセンス監査の適用を求めており、整合性をとれば、2.8以上が違法、2.5-8が管理、2.5以下が適法となる)。 レベルの具体的な内容 -0.8 豚や鶏、1 猿、2(70%の人と区別できない)、2.9(99.9%の人と区別がつかない)、3(人間以上) 物語当初は最高2.8だったのが、話が進む内に2.9が開発され、最後は3が登場する。 クリシュナ・コップ 違法AI摘発警察 ハミルトン法協定 AI欄参照 タウン・アンド・カントリー バラット国のAIだけが登場するドラマ。同国の外貨の25%を占める世界的ヒット番組。2050年頃、ハミルトン法協定適用により打ち切り。 アサド・ジュドラ水資源会社 ラージプターナ屈指の大企業。 パーマー AI端末の普通名称。 シャーディー 婚活のこと。 ボダイソフト 人間の意識をアップロードすることができるヴァーチャル世界。 。。。。なんでこんなものをまとめているかというと、小説中、まとまった歴史解説が無いからなのでした。擬似歴史小説では、主人公が歴史を学習したり、登場人物の誰かに歴史の解説をさせたりと説明的な文章が入り、それが小説世界の歴史の理解を助ける一方、興覚めともなったりするのですが、本書ではそういう解説が殆ど無いので、私の性格上どうしても整理したくなってしまうのでした(英語サイトまでは調べていませんが、日本語サイトでは、本書の小説世界の歴史をまとめたサイトはなかったので)。ついでにいうと、本書が面白かったからやっているというわけでも無く、寧ろあまりピンと来なかったので、設定を纏めてみれば、読んでいる時には気づかなかった諸点が腑に落ちたり、作者の設定力に感心したり(例えば分裂諸国がどのような区分で分裂したのか、言語なのか、宗教なのか、など)するかなー、と思ったわけです。で、コレを書きながら、パラパラとめくっているうちに、確かにネットで褒めている方が指摘されている点がいくつか理解できはしましたが、今ひとつという印象は変わりませんでした。 恐らく、本書の出来栄えとは関係なく、私が求めているのは、もっとインドが匂い立つような何かだから、なのかも。これは難しい話で、本書を英国人作家と知らずに、インド人作家だと思いんで読んでいたら、少し印象が違っていたのかも知れませんが、インド出身者が書いた「グローバリズム出づる処の殺人者より」にも、欧米視点を感じてしまったので、仮に本書がインド人作家の作品だとしても、”極めて欧米化したインド人”という印象を受けたかも。基本的には欧米人がインドに旅行したり、観光ガイド片手に書いたという印象です。あとがきを読むと、作者は、日本やブラジル、最近ではイスタンブルを舞台とした作品(Dervish house)を書いているとのことなので、やはり”観光作品”という枠内の作品という気がします。とはいえ、現実のインドとは関係なく、抽象的な世界の話としては、都市のイメージや印象に残ったストーリーがありました。特に、「小さき女神」は読後感もよく瑞々しい作品でした。 なんだかんだ書いてないでインド人SF作家の作品を読めばいいのですが、邦訳で見つかったのはこれだけだったのでした。今年はインドアマゾンができたことですし、そのうちインド作家のSF作品も読んでみたいとおもいます。 ■
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by zae06141
| 2012-12-25 00:09
| その他小説・映画関連
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2010年の参議院選挙では、主要政党のマニフェストを全部読んで(短縮版だけでなく、完全版も)コメントをブログに書いたりしていたのですが、今回はそこまでする必要が無いので、自民・民主・日本維新の会の短縮版公約とyoutubeに掲載されている政権放送だけ見ました(日本未来の党を忘れてました。明日見る予定)。私は、民主党が政権を取るに至った躍進の時期(安部首相の途中から民主党政権獲得後まで)に日本にいなかったので、前回の参院選では、いったいどうなっているのか現状を知ることと、日本の経済政策について選挙で何かできるのであれば、自分でも考えてみようと思って詳しく読んだのですが、今回の衆院選は日頃だいたい情報はつかめているので、手短に済ますことにしました。それにしても忙しい12月に選挙とは。。。今にして思えば、投票率が低いと現政権に有利という一般論と、米国大統領選終了後という条件から12月になったというのは予想できることではあったけど、迷惑な話。選挙の回数を減らしていただかないと、有権者側も学習している時間が無いし、選挙終了後、敗北政党が政策をきちんと見直す時間は無いままに、次の選挙に向けて直ぐに政権攻撃ばかりを始めてしまうので、参院衆院含めてもう少し選挙の回数を減らして欲しいものです。
ところで、昨日FRBバーナンキ議長の記者会見が発表され、失業率目標値の導入に関する質疑がなされていましたが、確か雇用に関しても日銀法改正の争点のひとつだったと思うので、少し思うところを記載したいと思います。「日銀が雇用にも責任を持った場合、正規雇用が増えるかも」とか「リストラは減るかも」という期待する人がいるのではないか、という印象があるのですが、私はそれは違うと思っています。 まず、よく言われるのは、米国の中央銀行の責務は物価と雇用、ドイツや日本は物価だけで、その背景として、米国は1930年代の世界恐慌時の高い失業率、ドイツは第一次世界大戦後のハイパーインフレがある、と言われています。それはその通りなのかも知れませんが、米国やドイツの中央銀行の役割は、歴史的理由だけではなく、現在の雇用慣行にも密接に結びついているものと思います。一応私の勤務先はグローバル企業で、私も中国赴任中は現地社員の採用も行っていましたので、その時聞きかじった話を元に(あと、経済学の世界では常識なのだと思いますが)記載しますと、日米独の雇用慣行とインフレ対策については、以下の特徴があるとのことです。 米国:昔はレイオフという習慣があり、景気が悪化すると一時解雇が簡単だった。景気が過熱(インフレ率の上昇)した場合、レイオフしていた人員を再雇用することで失業率が改善した。逆に、景気が悪化し、企業業績が悪化(赤字化・株主配当減少)となると、株価収益率を上げる為(株主優先)の為、レイオフして企業財務を改善した。IT業界の場合、企業システム構築プロジェクトが終了すると、構築に関わったSEは解雇され、別の企業の新規プロジェクトの為に雇われる。 日本:昔は終身雇用制だったので、景気が過熱してもその為の新規雇用はせずに(※この場合の新規雇用とは景気の為の雇用であって、好景気の結果としての新卒採用増とは異なる。新卒は戦力になるまではコストですから)、残業時間を増やして対処した。逆に不景気となった場合は、赤字となっても社員を解雇しなかった(会社は株主だけではなく、社員のものでもあった)。IT業界の場合、企業プロジェクト構築が終了すると、情報システムを”情報システム子会社”化して社員の雇用を続けた。 ドイツ:税と社会保障の負担率が高すぎ、可処分所得が(日米等に比べると)低いので、もともと大幅な景気変動する余地がない。残業しても半分くらい税と社会保障に消えてゆくから、残業したがらない(だからドイツ人の年間労働時間は日米よりかなり低い)。労働時間が抑えられ、新規雇用もしないから、供給が悪化し、インフレになり易くなる。だからドイツ中央銀行はインフレファイターとなる。 という話です。日米については、「昔は」と加えているのは理由があるのですが(後述)、一応最近のデータを調べてみました。本来なら財務省や白書等からデータを持ってくるべきですが、時間も無いのでとりあえず「カンタンな答 - 難しい問題には常に簡単な、しかし間違った答が存在する」というブログの2011-01-27の記事、「フィリップス曲線について (2) 」に、2008-10年の、日米独の、失業率とインフレ率の関係をグラフ(フィリップ曲線)にまとめた記事がありますので、グラフについてはそちらをご覧ください。 当該記事のグラフを見ますと、米国は、明確にインフレ率と失業率の相関関係が強く出ている、文字通り「曲線」となっています。一方、日独は、インフレ率と失業率は殆ど相関しておらず、曲線ではなく、「フラット」な線を描いています。 さて、上記日米の雇用慣行の記載で、「昔は」と記載しました。理由は、現在の米国ではレイオフというよりリストラが主流だと思いますし、日本も、終身雇用は減少してきていて、非正規雇用やリストラが飛躍的に増大しているからです。各国の「失業」の定義も様々なので、単純にフィリップ曲線を比べて言い切ってしまうことはできません。しかし、傾向は見て取れると思います。 私が思うには、日銀が雇用にも責任を持った場合、 「正規雇用が増える」「リストラは減る」ということではなくて、「非正規雇用の調整が日銀に可能となる」または「正規雇用も非正規雇用並みに採用・解雇が容易になる」ということであって、日銀の政策で雇用を増やせるかも知れないが、一方、それを企業側が認めるには、「不況となった場合、切りやすくすることが条件」ということにしかならないのではないかと思います。 もちろん、切りやすくなろうが、雇用増大のチャンスが増えるのであれば、これはこれで意味があります。強調したいのは、米国の中央銀行が雇用にも責任を持っているのだから、日銀もそうすれば、「いいことばかり」だという印象を持つのは違うのではないか、ということです。よさそうな話には必ず裏があります。米国の場合には、「採用し易い代わりに切り易い」という雇用慣習があっての上で、中央銀行が雇用に責任を持つことになっているわけですから、「採用」の部分ばかりに目がいって、「切り易い」という方に目がいかずに日銀法改正に突き進んでしまって、将来、「だまされた」なんてことを言わないように願いたいものではあります。 最後。東京都知事選ですが、マック赤坂氏に入れることにしました。もう猪瀬氏の勝利は間違いないところですし。マック氏の政見放送、NHK版と民放版、両方見てしまいました。いや、実際見て癒されましたもん。ネタはいつもと同じですが、衣装がいけてます(ウルトラマン版と仮面ライダー版も見てみたかった。。。)。12分間の安らぎ経験料として、彼に投票いたします。 ■
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by zae06141
| 2012-12-15 00:26
| 世界情勢・社会問題
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