古代世界の午後雑記(移行中)


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
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カテゴリ:古代イラン関係( 13 )


後期パルティア関連論説:南部玲生氏『後期アルサケス朝の帝国統治』と桑山由文氏『2世紀ローマ帝国の東方支配』

 今年3月頃ですが、昨年12月の『北大史学』55号22-42頁に掲載された南部玲生氏『後期アルサケス朝の帝国統治』と西洋古代史研究』2004年号に掲載された桑山由文氏『2世紀ローマ帝国の東方支配』を読みました。

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by zae06141 | 2016-11-05 00:07 | 古代イラン関係 | Comments(0)

特別展『黄金のアフガニスタン展』の展示会カタログの宣伝

 東京国立博物館で4月12-6月19日の間開催中の『黄金のアフガニスタン展』に先日ようやく行くことができました。展示会の混雑が苦手なので、通常は休暇を取得していくようにしているのですが、3-6月は一年で一番仕事が忙しい時期(6月期首のため)なのでなかなかいけないうちに展示会終了が近づいてきてしまい、一昨日、午後出勤にして午前中、なんとか行って来ることができました。このように書くと、展示会の感想記事だと思われるかも知れませんが、この記事の目的は、展示会の感想ではなく、展示会カタログがいかに良書であるか、について書くことだったのですが、結局展示会の感想になってしまいました。展示会の感想はネットでもでてきますが、カタログについて書いている記事は、現在のところなさそうなので書いてみました。


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by zae06141 | 2016-06-12 00:22 | 古代イラン関係 | Comments(3)

最近(2015年8月)見つけたパルティア・サーサーン朝関連本など

□Decline of Iranshahr: Irrigation and Environment in the Middle East, 500BC-AD1500の再販

 デンマークのイラン学者Peter Christensenの1993年の書籍「Decline of Iranshahr: Irrigation and Environment in the Middle East, 500BC-AD1500」のペーパーバック版が、2015年11月30日の予定で出版予定です。1993年出版のハードカバー本は絶版となっていて、ここ数年中古がUSアマゾンで150-300ドル(本日は352ドル)と、大変高額だったので入手しがたかったのですが、今度のペーパーバック版は、39ドル(現在のところ、JPアマゾンでも送料含めて5260円です。ローマ帝国は、都市ローマや中枢部であるイタリアだけではなく、帝国各地地域別の研究も進んでいますが、サーサーン朝となると、歴史的にまとまりのある展開を見せてきた地域毎の区分すら、あまり採り上げられないことから、本書の扱っているテーマは大変貴重な内容となっています。類書が少ないことから、本書がより多くの人に読まれて欲しいと希望していたので、廉価版の出版は大変ありがたいことだと思います。

The Sasanian World Through Georgian Eyes: Caucasia and the Iranian Commonwealth in Late Antique Georgian Literature Stephen H., Jr. Rapp 著

2014年9月に出版された、グルジアの史書や遺跡を通して、サーサーン朝の従属下にあった古代末期のグルジアにおけるサーサーン朝の痕跡を検討した書籍です。アルメニアにおけるパルティアやサーサーン朝関連の情報を扱った書籍は割とありますが、グルジアに関しては無さそうだったので、本書は貴重な書籍となっています。とはいえ定価115ドルと高額なので、手がだしずらかったのですが、本日見たら、新刊は売り切れていて、新古書が120ドルに値上がりしていました。本書は513ページと大変ボリュームがあるのですが、内容の概要に近い同著者の論説pdfがカリフォルニア大学のサーサーン学のサイトで公開されています(New Perspectives on “The Land of Heroes and Giants”: The Georgian Sources for Sasanian History)わずか32頁のpdfですが、サーサーン朝の影響を受けていると考えられるグルジアの遺跡や、サーサーン朝に触れている、或いはその影響にあると考えられる4世紀から11世紀グルジアの史書などの文献が紹介されていて有用です。


□フィルダウシー『シャーナーメ』と、ビールーニー『インド誌』に登場するパルティア王の名前

History of the Parthian Empire」(2008年8月)という書籍のp17-8に掲載されていました。現ウズベキスタン西部のホラズム出身で、11世紀初にアフガニスタンの王朝ガズニー朝に仕えたビールーニーの『インド誌』には、他で見られない情報も多く、古代イランについてどういう情報が掲載されているのか興味があるのですが、本書(History of the Parthian Empire)のp17-18に、以下のパルティアの王名が記載されていました。

---------------------フィルダウシー--------------------------------
アシュク
シャープール
ゴダルゼス
ビジャン(Bijan)
ナルセス
アラシュ
アルダワーン
バハラーム
アルダワーン大王
---------------------ビールーニー--------------------------------

ダーラーの息子のダーラーの息子のアシュク
アシュクの息子アシュク
アシュクの息子サボール
サボールの息子ヴァラシュ
ヴァラシュの息子ホルミズド
ホルミズドの息子フィーローズ
フィーローズの息子ヴァラシュ
マラザーンの息子ホスロー
ヴァラシュ
ヴァラシュの息子アルダワーン
アルダワーン al-kabir al ashkanan
アシュカナーンの息子ホスロー
アシュカナーンの息子Bef'afarid
アシュカーナーンの息子Jodar(ゴダルゼス)
アシュカナーンの息子ヴァラシュ
アシュカナーンの息子ナルセス
最後の王アルダワーン
----------------------------------------------------------------------------------------
タバリーの『諸使途と諸王の歴史』のアルサケス朝の王達の章に記載されている王名(こちらの記事でまとめています)とあまり変わらず、恐らくサーサーン朝の時代になって創られたと思われる王統となっています。がっかりしましたが、長年気になっていたことがわかり、一歩前進ではあります。

An historical atlas of Central Asia / by Yuri Bregel
 2003年に出版された中央アジアの歴史アトラス。昨年の記事で紹介した書籍です。国会図書館関西館に所蔵されているのですが、東京館への貸出しはできないそうなので、前回の記事時点では見れなかったものです。大学図書館にあることがわかり、閲覧してきました。感想は、200ドルするだけのことはある、というものです。全頁カラーで、中央アジアに勃興した王朝の領土が、非常に詳細に描かれています。砂漠地帯をベタに塗りつぶすのではなく、極力都市と農地・遊牧地だけを王朝の領土として国境線を引いています。428年のサーサーン朝の遠征路なども記載されていて、サーサーン朝の中央アジア付近に関しては、イラン歴史アトラスよりも詳細です。

An Introduction To The History Of The Assyrian Church: Or The Church Of The Sassanid Persian Empire, 100-640

 1910年の書籍の復刻版。サーサーン朝治下のアッシリア教会も、シリア語文献を多数残しているようなので、シリア語文献におけるサーサーン朝の景観などが何かわかるかも、という期待があります。

Sarvistan: A Study in Early Iranian Architecture (Monographs on the Fine Arts) (College Art Association Monograph) Hardcover – October 1, 1986
by Lionel Bier (Author)

 サーサーン朝の宮殿遺跡、サルヴィスターン宮殿遺跡の調査研究書のようです。

Persia's Imperial Power in Late Antiquity: The Great Wall of Gorgan and the Frontier Landscapes of Sasanian Iran (British Institite of Persian Studies Archaeological Monograph Series)
by H. Omrani Rekavandi (Author), T. J. Wilkinson (Author), J. Nokandeh (Author), Eberhard Sauer (Author)

 ローマのリメスや、古代中国の長城と並ぶ、サーサーン朝が北方民族の侵入を防ぐために構築した、200kmに渡るゴルガンの長城とその周辺地域の維持システムの研究のようです。ゴルガンの長城遺跡(サッデ・エスキャンダル)の残骸を見学して以来、妙にこの遺跡とその維持システムに興味があるので、そのうち買ってしまうかも。

□青木健著『ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究 : ペルシア語文献『ウラマー・イェ・イスラーム』写本の蒐集と校訂』書評 春田晴郎(西南アジア研究81号2014年)

 春田晴郎氏による書評。「書評 青木健著『ゾロアスター教の興亡--サーサーン朝ペルシアからムガル帝国へ』(オリエント51巻1号、2008年)と同様厳しい内容となっていますが、英仏語版の出版を勧めるなど、高く評価している部分も多々あります。青木氏と春田氏の間に直接の師弟関係があるのかどうかは知りませんが、氏の文章を読んでいると、師が弟子を厳しく育てるような印象を受けます。本評を読んで、私的に重要だった点は、青木氏が、『ウラマー・イェ・イスラーム』の一部を、5世紀初のサーサーン朝の宰相ミフル・ナルセの見解を述べたものだという可能性を指摘しているのに対して、春田氏は、その可能性は低いと見ている点でした。

□物語『インドのジャリアッド王と宰相シマス

 10世紀のペルシア人学者ハムザ・イスイファハーニーが挙げているパルティア時代の書物に「シマスの書」があります。東洋文庫版と岩波文庫版の千一夜物語には入っておらず、ぎょうせい社から1990年に出版されたバートン版第六巻に、「インドのジャリアッド王と宰相シマス」の邦訳があります。この物語は、10世紀のアラビア語書籍『フィフリスト』によると、ギリシア語からアラビア語に翻訳されたものだ、とされていて、実際読んでみても、パルティアやイラン、古代メソポタミアといった雰囲気はありません。枠物語自体は、「シンドバードの書(或いはシュンティパスの書)」に似ているものの、ジャリアッド王の王子の名前ウィルド・ハンという、トルコかモンゴル系の名前だったりして、古代よりも中世の香りがするのですが、枠内の物語はインドの説話という感じです。しかし、こうした物語がパルティア時代に、その領内で読まれていた可能性もゼロではないので、それを想像しながら読むことでそれなりに楽しめました。


□小説「砂漠の薔薇 ~女王ゼノビア~ 」阿部剛著

2014/6/1に出版された、パルミラ女王ゼノビアを主人公とした小説。ササン朝も少しだけ登場しています。ゼノビアを主人公とした日本の小説では、1994年の赤羽尭著『流沙伝説』という2段組597頁の、大変ボリュームのある小説があり、年長者にはこちらの方がお奨めですが、阿部剛氏の本書は、文庫で247頁、文字も大きく、中高生向きのライトノベルという感じです。図書館で20分くらいかけてざっと目を通しただけなので、面白いかどうかまではわかりませんでしたが、中高生でゼノビアに興味を持った方には、取っ付き易いかも知れません。

Zutra (Kahana Chronicles) (Volume 5) Paperback – January 10, 2015
by Allen E Goldenthal

 495-502年の7年間、サーサーン朝の都マーホーゼ(セレウキアとクテシフォンなど複数の都市から構成されたサーサーン朝の首都圏)において、ユダヤ人共同体の独立を指導したMar Zutraを扱った小説の模様。北魏の姫とのロマンスとかも描かれているらしい。クテシフォンがまともに登場する唯一の小説かも。表紙のイメージ通りのドラマにしたら面白いかも。

大阪大学 イラン祭祀信仰プロジェクト
 一時期サーバーにアクセスできなくなっていましたが、現在は復活しています。恐らく日本で一番詳しく、マイナーなパルティア・サーサーン 朝遺跡写真が大量にあるサイト。

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by zae06141 | 2015-08-24 00:30 | 古代イラン関係 | Comments(0)

十字架の刻まれたサーサーン朝の銅貨

 サーサーン朝のホスロー二世時代に、サーサーン朝がエジプトを支配していた期間(619-629年)にエジプトで発行された銅貨です。ローマの銅貨の表面だけを、ホスローの肖像に変えたもの。裏面は「I 十字架 B」の文字が刻印されていて、Iはギリシア語の数字10(アルベット順で10番目の文字decanummium)を示し、Bは2(アルファベットの2番目の文字ベータ)を示し、12nummi(nummusが複数形となりヌーミーとなる)の額を表す銅貨とのことです。
a0094433_1913660.jpg

(こちらの「世界のコイン」サイトから拝借した画像です。こちらをクリックすると大きな画像が見れます

 下の画像は、「Cambridge History of Iran 3-(1)(Seleucid,Parthian,Sasanid)p338Plate30-7」から引用した画像です。
a0094433_1943124.jpg


 サーサーン朝では、日常生活用に流通していた銅貨は、基本的にヘレニズム王朝とパルティアの銅貨で、サーサーン朝が独自に発行した銅貨は、儀式や賜与のために用いたとのことですが、このエジプト征服時の通貨は、日常生活用に流通していたものなので、このホスロー2世の銅貨は、数少ない、日常用銅貨といえるのではないかと思います。

 十字架の話題ということで、一応クリスマス的な話題とすることができました。

 ところで、ホスロー2世銅貨以外にもサーサーン朝の銅貨の画像を見つけましたので、取り合えず今わかっている分だけこちらにまとめてみました。レイアウトがしょーもないですが、ご興味のある方はこちらをご参照ください

追記① アル・タバリーのホスロー二世の息子シールーヤの記事を読んでいて、南インド王プラケーシン二世と思われる、フルミーシャーという王がホスロー二世の治世36年目(626年)に書状を送ってきたという記述を見つけました。以前、「インドとサーサーン朝の交流と国境」の記事でご紹介したインド側のアジャンター石窟壁画のペルシア使節の図像と一致する内容です。双方の側で交流の情報があるということは、実際にサーサーン朝と南インド王との間で交流があった可能性はより高くなったのではないかと思います。ちょっと嬉しくなりました。

追記② ササン朝のエジプト占領中に書かれたパフラヴィー語のパピルス文書発見の記事(2010年12月)
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by zae06141 | 2014-12-25 00:25 | 古代イラン関係 | Comments(0)

なつめやし(2) なつめやしのお酒・なつめやしのデザート

 最近なつめやしにはまっています。

紀元1世紀のギリシア人著作家ストラボンの『ギリシア・ローマ世界地誌』邦訳下巻p465に、バビロニア地方の食材として、

「そのほか(大麦以外)の食料はやし樹から手に入れる。すなわち、パン、酒、酢、蜜、菓子が取れる」 

という記載があります。なつめやしが様々な食材に加工して食料とされていたことに興味を持ち、取り合えず通販で入手可能なドライフルーツのなつめやし、なつめやしの焼酎、なつめやしのシロップを購入してみました。

 写真中央がこちらのイラン産なつめやし。右上がこちらのなつめやし焼酎。左上がこちらのなつめやしシロップ
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 なつめやし焼酎は、鹿児島で作られた”再現製品”。綴じ込みのカードには以下の説明があります。

「世界の蒸留酒の原点と呼ばれるアルコール、それから幻の酒アラックである。古代エジプトで錬金術の発展とともに進歩してきた蒸留技術は、13世紀の初頭にアラックという銘酒を生み出した。ナツメヤシを原料としたこの蒸留酒は地中海沿岸で広く愛飲されたのが、アラビア人たちの禁酒の風習とともにと衰微した。この幻のアラックを復元すべく、我 々はシルクロードをたどり中近東で、ようやく一本のナツメヤシの木にたどりついた。苦心の末、このナツメヤシを日本に輸入、水と酵母を選び、更に蒸留に創意を加えて完成したのが、この"隼人の涙"です。まさに"隼人の涙"は世界の蒸留酒の原点ともいうべき焼酎です」

 イスラーム時代に入っても、直ぐに全面禁酒となったわけではなく、地域によってはかなり後年まで酒が飲まれていた場所もあり、現在のイランでも輸出用にワインが生産されていたりするので、中近東伝統製法で製造されたなつめやし酒を飲んでみたかったのですが、欧米のアマゾンには見つからなかったこともあり、取り合えず国産酒で満足です。味的には芋焼酎と同じような感じですが、なつめやしの風味がある、と思えば、そんな感じもします。毎晩お猪口でちびちびやって楽しんでいます。

 なつめやしシロップも、普通の蜂蜜とあまり変わらないような味ですが、なつめやし焼酎同様、これもなつめやし風味がある、と思えばそんな感じです。

 さて、ドライフルーツのなつめやしですが、そのままで食べた場合は、少し硬い感じです。味は黒砂糖菓子の黒棒とかかりんとうに似ているかも。歯ざわりは全然違いますが。黒砂糖をそのまま齧っている、という感覚がしないこともない感じ。糖味が凝縮されているので、幾つも食べれるものでは無いように思えますが、保存食として利用されたのが実感できます。今年夏、実家に帰った折に、炎天下の下で庭の草むしりをしたのですが、作業中の糖分補給にぴったりでした。暑い中近東で好まれたのもわかる気がします。

 ドライなつめやしを齧りながら、なつめやし焼酎をちびちびやるのもいいのですが、朝食や食事のデザートとして食べれるように少し工夫してみました。乾燥なつめやしを市販のプレーン・ヨーグルトに漬け込んでみました。2日くらい経つと、硬さが解れ、更に糖分がヨーグルトに染み出て、プレーン・ヨーグルトが、蜂蜜と練り合わせたようなクリーム状になります。下の写真の、少し茶味がかった部分がそれ。ヨーグルト漬けに、なつめやしシロップをかけて見ました。硬いドライなつめやしが、スプーンで切り分け割れるほどやわらかくなり、実に凝縮していた甘みがヨーグルト全体に拡散して食べやすくなりました。このところ毎朝食べるのがやめられなくなっています。更に4,5日たつと、ヨーグルトに完全溶け込んでしまい、シロップをかけなくても、かけた状態とほぼ同じ味になりました。
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 最近、『最古の料理』という、紀元前1500年頃の粘土板に記載された料理のレシピの翻訳と解説をした書籍を読みました。パルティア・サーサーン朝時代の料理について記載した同時代史料は現在のところ発見されていませんが、パルティア・サーサーン時代以前の時代の料理書の記載と現在のイラク・イラン料理を比較したり、ギリシア・ローマ文献にわずかに残る記載と比較することで、パルティア・サーサーン朝時代の料理が少しは推測できるのではないかと考えています。遥かパルティア・サーサーン朝の料理に思いを馳せつつ、なつめやし酒を啜る。幸せです。

※ なつめやし各種
こちらのサイトに以下の12種類についての解説があります。
ディグレット種、マジョール種、ハース種、スタメラン種、ピアロム種、生デーツ黒色、サーヤ種 、アジョワ種、スッカリー種、生デーツ黄色、スイラッジ種、ホドリー種
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by zae06141 | 2014-09-17 00:12 | 古代イラン関係 | Comments(0)

なつめやし(1)

 サーサーン朝の税収項目に登場する主要栽培物になつめやしがあります。タバリーの『諸使徒と諸預言者の歴史』通番962頁には、サーサーン朝後期の英主ホスロー1世(在531-579年)の税制改革に関する記述があり、なつめやしが重要作物として登場しています。ホスロー王が改革を布告する部分では、以下のように、なつめやしは、オリーブと人頭税とならんで重要品目とされています。

 -「我々はこの調査の多様な数値となっているものを基礎 に、税率を立てることがよいだろうと判断した。なつめやし、オリーブ、人の数である。我々は税は1年以上にわたる分割払いで、3度の分割払いで支払われるように定めた」-

 ホスローは裁判官と賢い相談役の何人かを選び、土地と人口を調査し、税額を査定するように指示します。そうして、王の役人達は、以下のように税額を決定します(以下more)。

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by zae06141 | 2014-09-10 00:27 | 古代イラン関係 | Comments(0)

最近(2014年8月)見つけたパルティア・サーサーン朝関連本など

 ISIS問題で、ヤズィード教徒が一般メディアでも取り上げられました。青木健氏がコメンテーターとして出てこないかなあ、と思っていましたが、今日のところまでは、まだ目にしていません。この機会に、新書版とかでヤズィード教の本を出版すれば、タイムリーなのではないでしょうか。

 さて、本日の話題です。長年探していた、イランで出版された歴史地図帳を見ることができました(以下more)。

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by zae06141 | 2014-09-04 00:09 | 古代イラン関係 | Comments(0)

最近(2013年3月)見つけたパルティア・サーサーン朝・ビザンツ関連本やサイト

 最近USアマゾンを検索していて、幾つかパルティア・サーサーン朝本やビザンツ本、サーサーン朝サイトを見つけました。今回はその紹介です。

カリフォルニア大学のサーサーン学のサイト。サーサーン朝の新刊研究書も紹介されていて有用です。書籍や活動の紹介や論説や翻訳の掲載があります。著者達の写真が見えるのが嬉しいところ。

 比較的最近出版された面白そうな書籍。

Three Neglected Sources of Sasanian History in the Reign of Khusraw Anushirvan (Cahiers De Studia Iranica)  ホスロー1世アノーシールワーンに関する、これまで見過ごされてきた三つの史料、ディーナワリー、シャーナーメのアヌーシールワーンのパート、Sīrat Ānusharwān(恐らくアル・ムカッファアの「王書」のホスロー一世伝) に関する論考の模様。既に絶版でアマゾンで中古が127ドル。116頁で100ドル以上は出せそうにありませんが50ドルくらいの中古が出たら買うかも。

The Kârnâmê î Artakhshîr î Pâpakân; being the oldest surviving records of the Zoroastrian emperor Ardashîr Bâbakân, the founder of the Sâsânian ... with a trans-literation in Roman character
 「バーバクの子アルダクシールの行伝」関連本。14ドルと安いものの、恐らくペルシア語をローマ字で置き換えたもので、翻訳は無いようです。
 上記ササン学サイトに英語翻訳が掲載されています。短いようなので、全文ではないかも知れません(確か他のサイトにも英訳が掲載されていた筈)。

On the Explanation of Chess and Backgammon (Persian Text Series of Late Antiquity, 1)
 「将棋の解き明かしとネーウ・アルダクシールの案出」関連本だと思われます。  サーサーン朝の簡易通史本Sasanian Iran (224-651 CE): Portrait of a Late Antique Empire 、サーサーン朝通史本Sasanian Persia: The Rise and Fall of an Empire (International Library of Iranian Studies) 、中世パルラヴィー語文献「エーラーン・シャフルの諸都市」翻訳書の著者Touraj Daryaee の新刊。「エーラーン・シャフルの諸都市」は先のリンクでamazonより販売されていますが、サーサーン学のサイトに同じものが掲載されています。アンミアヌス・マルケリヌスにも、サーサーン朝の18の都市について記載した「Description of the 18 Provinces of Sasanian Empire 」という章があり、サーサーン学サイトでこの部分が公開されています。

「アルベラ年代記」がサーサーン学サイトで公開されています。読みたかったので嬉しい!英文37頁。ざっと目を通しましたが、パルティア・サーサーン朝vsローマの戦争は大体言及されているのですね。パルティア王ヴォロガゼス4世が後のサーサーン朝の母体となるファールス州のフラタラカー政権の叛乱を12万の軍隊で鎮圧していた話など、この史料だったと知ることができて嬉しい限り。

Syriac Christianity Under Late Sasanian And Early Islamic Rule
 サーサーン朝治下のシリア教会の研究書。当時のシリア教会の文献にはサーサーン朝情勢も記載されているので、本書でも扱われているものと思われます。

Sasanian Pars: Historical Geography and Administrative Organization (Sasanika)
 サーサーン朝時代のファールス州の地誌、行政機構という、面白そうな内容です。ドルが70円台のうちに注文しておけばよかった。取りあえず購入。そのうち要約を記事に書く予定。

Sasanian Society: Warriors, Scribes, Dehqans (Ehsan Yarshater Distinguished Lectures in Iranian Studies)
 絶版となっていたAhmad Tafazzuli の書籍の再刷が出てました。JPアマゾンでは新刊4429円と高額ですが、USアマゾンで新刊15ドルで出ています。たった71頁の小冊子なので15ドル程度が妥当だと思いますが、末期サーサーン朝の戦士階級、書記階級、村長階級の3階層について記載された貴重な書籍です。

History of the Parthian Empire (Volume 1)
 2008年出版のパルティア通史本。204頁。同じ著者のサーサーン朝通史も出ています(172頁)。

□エスタフルの発掘概要
 パルティア時代のペルシア王国の都エスタフル。サーサーン学サイトのエスタフルの写真に要塞と住居建造物が出ていたので、興味を持って探したところ、このレポートが見つかりました。エスタフルの平面プランや800-1500年のエスタフル周辺の運河発展復元図面など非常に有用な資料です。これによるとサーサーン学サイトの要塞と住居健康物の写真はイスラーム時代の遺跡の模様。Google Mapでもエスタフル遺跡が最大精度で確認できるようになっていました。

最近は、恐らくイランで出版されたと思われるペルシア語書籍もUSアマゾンに掲載されるようになりました。タイトルや紹介が英語で記載されています。
Parthian Language (Arsacid Pahlavi) by Askar Bahrami (Nov 8, 2009)
パルティア語の書籍。英語版が出たら買うかも。まあ買っても読まないと思いますが、*パルティア語だけ*を扱った書籍ということで、なんか欲しくなってしまいました。

Hayastane ev arajin Arshakuninere (Armenian Edition)
 アルメニア語の415頁もあるパルティア本。1993年刊。

Samuel's Daughter: A Love Story from Third-Century Parthia
 古代ユダヤの伝説に基づいた小説。舞台は259年のメソポタミア(伝説なので、史実では既にサーサーン朝となっている259年の話のようです)。買ってしまいそう。

The Prince of Parthia
 Thomas Godfreyが1765年に出版した戯曲。ゴダルゼスとフラアテスを扱っていて、Wikiにも梗概があります。米国で書かれた最初の戯曲とかで、1917年刊行の本が、2006年に復刊されていました。

The Impact of Seleucid Decline on the Eastern Iranian Plateau: The Foundations of Arsacid Parthia and Graeco-Bactria
 139頁しかないので大した本ではないかも。

Georgia in Antiquity: A History of Colchis and Transcaucasian Iberia, 550 BC-AD 562
 古代グルジア史本。面白そう。

□[黄金の魔女が棲む森]シリーズ
 ジュブナイル系歴史ファンタジーですが、紀元395-98年の東ローマ、アルメニア、サーサーン朝が舞台。後のサーサーン朝王 ヤズダギルド1(在399-420年)が375年頃の誕生、後の宰相ミフル・ナルセが384年頃生まれとして描かれていて、 この設定は概ね史実に沿っています。サーサーン朝が登場するだけでも珍しいが、更にヤズダギルドとミフル・ナルセが登場するところが凄 い!歴史系ファンタジーに興味は無いのですが、それでも興味を惹かれ、題名に「エーラーン」と入っている「エーラーンの猛き炎」を取りあえず読んでしまいました。キャラや筋立ては氷室冴子(古いけどジュブナイルで読んだことがあるのはこの人くらいなので。。)な感じですが、サーサーン朝の役職名や家名が、ギリシア・ローマ側の呼称ではなく、イラン側の中世パフラヴィー語が用いられているところに感動しました。

My Husband, Bar Kokhba: A Historical Nove
 ハドリアヌス時代のイスラエルでのユダヤ叛乱であるバル・コクバの乱を題材とした歴史小説。間違いなくハドリアヌスが登場している筈。これも面白そうです。

Empire Daughter (Conquerors of the World)
 帝政ローマ二世紀の元老院議員Gnaeus Claudius Severusの娘の、恋人とともに父の為の薬を求めて東方(現トルコ)への旅を描く小説。パルティア国境付近まで赴くらしい。

The Journey of the Magi
 イエスの誕生に駆けつけた東方三博士の小説の模様。彼らはパルティア領域の住人なので、パルティアも出てきそう。アマゾンのレビューも好評。

 前5-15世紀の”歴史的イラン世界”の経済を扱った「Decline of Iranshahr」がUSアマゾンで中古118ドルで出ているのを発見。残念ながら配送は米国国内だけなので、US出張があれば、ホテル配送にして購入しようと考えているところ。れまで売れないでくれるといいのですが。。。(昔は本社に届けてもらって社内便で送るという手口が使えましたが、現在はそれをして、ばれると懲戒)


 ビザンツ本は沢山見つけました。めぼしい史書は既に英訳が出版済みだったとは知りませんでした。

 史書については列挙するのも面倒なので、サイトの「ビザンツ史料一覧」にAmazonのリンクを記載しました。こちらをご覧ください。14冊Amazonへのリンクを追加しました。それ以外の、以前から読みたいと思っていたビザンツ本(の今回見付けた英訳)を以下に並べました。

□クレモナ司教リウトプラントの諸作品(968年オットー大帝の使節としてコンスタンティノープルを訪問した使節)(これについてはネットでも英訳が公開されています

□コンスタンティノス・ポルフュロゲネトス(在913-959年)の「帝国統治論」

□叙事詩「ディゲニス・アクリタス」の英訳。部分邦訳がネットにあがっているので、買うかどうか迷っているところ。待っていればそのうち全文の邦訳がでるかも。

□12世紀のビザンツ小説集「Four Byzantine Novels」。以下の4本所収。
  Rhodanthe and Dosikles  by Theodore Prodromos,
  Hysmine and Hysminias by Eumathios Makrembolites,
  Arístandros and Kallithéa by Constantine Manasses,
  Drosilla and Charikles by Niketas Eugenianos

 この4本も以前からずっと読みたかった作品。帝政ローマ時代のギリシア語小説の焼き直しらしいので、106ドルという値段に少し考え中。「エフェソス物語」とか「レウキッペとクレイトポン」の単なる焼き直しだと読み進める気力があまり沸きそうにありません。どういうものかを知る為だけで購入してもいいとは思うのですが。。。迷ってます。「史料が語るビザンツ世界」のp128-129に、11世紀の大土地所有者エウスタティオス・ボイラスの遺言状の全訳があり、所有している書籍が約90冊程列挙されているのですが、その中の数少ない世俗書籍の一冊に「レウキッペとクレイトポン」があります。このことからすると、当時の知識人のニーズを受けて焼き直し小説が書かれたということなのかも。

Three Medieval Greek Romances: Velthandros and Chrysandza, Kallimachos and Chrysorroi, Livistros and Rodamni
 14世紀のビザンツ小説の英訳。 

□バルラームとヨサファト 
 なんと邦訳がネットにあがっていました。この伝説は、パルティア時代にも派生作品が流通していたという話があるようです。

賢人シュンティパスの書
 この本、以前から持っていたのですが、1080年にシリア語からギリシア語に翻訳され、ビザンツ帝国で読まれていたという意味でビザンツ文学本だとは知りませんでした。付録についている、ハドリアヌス帝の登場する2世紀の小編「哲学者セクーンドスの生涯」が読みたいが為に購入したのですが、最近ビザンツ本だと気づきました。同時に、中世イスラーム圏の俗文学の大きな潮流である「シンドバードの書」「カリーラとディムナ」「アラビアン・ナイト」のうち、何故「シンドバードの書(このギリシア語訳が賢人シュンティパスの書)」だけがビザンツに取り入れられたのかという疑問が出てきました。もしかしたら「カリーラとディムナと「アラビアン・ナイト」もビザンツに入っていたのかも知れませんが、このあたりもそのうち調べてみる予定。
 

 今年7月出版予定のテオドラの小説
The Secret History: A Novel of Empress Theodora

参考-
 パルティア・サーサーン朝関連書籍一覧

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by zae06141 | 2013-03-31 00:12 | 古代イラン関係 | Comments(0)

最近の古代イラン関連雑記

 イラン在住の研究者の方のサイト「イランという国で」を読んでいると、テヘランでも密告がで始めているとの記事(昨年7月)に出くわしました。もう完全にハターミー政権以前に状況に戻ってきてしまっているようですね。残念でなりません。更にこちらには、イランの最大の貿易相手国が中国となったとの記事も。カシュガーイー族にさえ中国製品が浸透しているようです(「イランという国で」のこちらの記事)。

 イランの国産自動車会社(といってもルーツはイギリスの会社)は、プジョーと提携しているとはいえ、シリアとベラルーシに工場を持っており(出典はこちらの記事)、ロシア、シリア、イラク、アゼルバイジャン、アルジェリアなどに輸出しているとのこと(こちらWikiの記事)。そのうち中国にも輸出するかも知れませんね(だいぶ昔、中東で自動車を自作できる唯一の国はトルコだ、とあったのは間違いだとわかりましたが、中東情報はかようになかなか日本には入らないことがよくわかりますね。。。)。
 中国のインターネットアクセス規制も、2009年中盤から目だって増えてきていたし、かつての旧ソ程ではないにしても、世界は強権的な政権の陣営(ロシア及びロシア圏と中東・アフリカと中国)と、自由主義陣営に分かれつつあるのかも。つまらない時代に入っていくような気がしつつあります。冷戦が終わって、私にとっては開放感に満ちていたひとつの時代が終わりつつあるようにも感じられるこのごろです。とはいえ、こんな(少し古いですが)記事(カラフルなヘジャーブのデザイン)やこんな記事(女性アスリート用の特別ユニフォーム)を見ると、まだまだ希望はありそうにも思えるのですが、長年の宿題だったペルシア語学習も、意欲が薄れてきてしまってます。。。。

 さて本題です。山中由里子氏「アレクサンドロス変相」にプトレマイオスのカノンが掲載されていたのですが、日本語のネット上には情報が無いようなので、日本語版Wikiの方に翻訳を載せる程のものではないのですが興味があり、今後何かの役に立つかもと思い、英語版Wikiから拝借して、私のサイトの方に転載しました。、年代を表現するのに、ローマ治下のアレキサンドリアにいたプトレマイオスが、バビロニアの王名表とアケメネス朝王を利用している点に興味をそそられました。トゥキディデスなんかも、年代表現にアケメネス朝王を使えばよかったのに、などと思う一方、プトレマイオスは何故エジプト王名表を使わなかったのかなど、色々疑問が出てきて面白い材料です。

 また、これも「アレクサンドロス変相」に貨幣が掲載されていて思い出したのですが、以前こちらの記事(書籍「古波斯币」)でご紹介した中国で出版された「古波斯币」という書籍に、アルサケス朝時代のファールス(ペルシア)州の支配者(フラタラカ)の貨幣と王名が掲載されていたのを思い出し、これもサイトの方に一覧を作ってみました。これを見ると、あくまで現在把握できている貨幣の範囲での結論とはいえ、ミトリダテス1世以前のセレウコス朝時代で貨幣を発行しており、ミトリダテス2世後の、アルサケス朝の力が弱まった時点で、また貨幣を発行していることがわかります。また、アルサケス朝末期には、バーバク、シャープール、アルダシールの貨幣があることから、サーサーン朝は、アルダシールによって突然勃興したのではなく、もともとあったファールスの政権が拡大したことがわかります。これを見ても、アルダシール一世のアルサケス朝転覆は、地方領主であった足利尊氏の鎌倉幕府転覆に似たような印象を受けます。

 なお、ついでに、アルサケス朝時代のエラムとカラケネの貨幣から復元した王名表も、書籍「古波斯币」から引用して作成してみました。エラム国はこちらカラケネ国はこちら。これを見ると、カラケネ国はまんべんなく貨幣を発行していて、支配者の名も現地人のような印象がありますが、一方のエラム国は、途中からアルサケス一族の支配となっていることがわかります。

 最後。英語版Wikiからの抄訳ですが、ゾロアスター教の基本資料、サーサーン朝の史料としても重要なブンダヒシュンとデーンカルドが日本語版Wikiになかったので、英語版から抄訳しておきました。青木健氏の書籍やメアリー・ボイスの書籍でも頻繁に引用されている割には、どういう書籍なのかのちゃんとした解説が不足しているように思え、ネットで探してみたところ、ちゃんと説明のあるサイトが無いようでしたので(デーンカルドが幻想大事典に若干記載があるのみ)、面倒な記載は抜かして概要だけ抄訳しました。このブログに来る方は、古代イランにご興味をお持ちの方もおられると思いますので、追加・訂正などを行っていただけますと助かります。ちなみに最近購入したマスウーディーや、アン・ナディームの項目も日本語版に無かったので、英語版や書籍の情報から記載しました。こちらも、「閲覧には役立たない」とコメントをつけられてしまっていますので、どなたか追記・訂正などを行っていただけますと助かります。

 それにしても、マスウーディーなど高校時代の教科書にも載っていたような人物や、マクリージーなど、アラブの歴史を扱った史書にはだいたい登場するような重要人物が日本語版Wikiに無いなど、昨今の日本人はアラブに関心が無いのだなぁ。。。。と残念に思ってしまいました。私だってアラブ史にはあまり関心が無く、今回「黄金の牧場」と「フィフリスト」を買ったのも、主には古代イランの記述を目当てにしてのことだったわけですが、イスラーム史専攻の学生とか書いたりしないのかしら。。。。 専門家でも教師でも、専攻の学生でもないIT業の会社員の私がアラブの史家のWiki記事なんか書いている状況が、かなり悲しくなりました。。。。

 最後と言いながらもうひとつ。前嶋信次氏の、河出書房新社「イスラム世界」という書籍があるのですが、これに出てくるサーサーン朝の記事は、アラブ語文献と中国文献だけなのだ、ということが今更ながらわかりました(しかも、同じ前嶋氏著作の講談社版「イスラムの時代」と比べると、「イスラム世界」は人物のエピドード中心にまとめられていて、マスウーディーからの引用が多いのかも、という印象)。ブズルグミフルの自伝も「カリーラとディムナ」が出典でしたが(詳細は「ブズルグミフルの探求」の終了」に記載)、サーサーン朝の面白いところは、史料とする言語によって、かなり異なったエピソードとなり、サーサーン世界のイメージすら変わってしまうことにあるのかも、と思うようになってきています。

 伊藤義教氏が用いる中世ペルシア語史料によりイメージされるサーサーン朝、ゾロアスター教学者により近世ペルシア語史料を含めて復元されるサーサーン朝、それぞれ若干イメージが異なります。おそらく、シリア語や、アルメニア語、バビロニア在住のユダヤ教徒のヘブライ語書簡、マニ教文献から抽出されるサーサーン朝の記述は、また異なったサーサーン世界のイメージをもたらすのではないかと思います。こうした、ボルヘス的とも言える、万華鏡を思わせるところが、サーサーン朝の魅力のひとつなのではないかと思うのです。
  
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by zae06141 | 2010-02-08 23:49 | 古代イラン関係 | Comments(2)

「古代伊朗文明探源」と「波斯拉施特《史集·中国史》研究と文本翻訳」

という本を見つけてしまいました。

古代伊朗文明探源」は、「古代イラン文明の源の探求」
波斯拉施特《史集·中国史》研究与文本翻译」は、「ペルシア ラーシドウッディーン、「集史·中国史」の研究とテキストの翻訳」 というもの。

 最近中国語でマルコポーロとかメソポタミアとかの語が判別できるようになってきているのですが、その成果もあってか、数ある書棚の中からこれらの本を識別できてラッキーです。

さて、前者は、アケメネス朝を扱っているのかとおもいきや、なんと、エラム王国をがメインの書籍でした。コレハスゴイ!!310ページ中220ページが、エラム王国。政治社会経済文学宗教芸術建築と、エラム国ってこんなに色々わかってるんだ、と今更ながら無知を思い知らされましたが、これがたったの18元(約285円)。読めもしないのに即購入。私が知らないだけかも知れませんが、日本ではエラム関連の書籍は、高額な専門書でさえ出版されていないのではないでしょうか。もちろん安いので、写真は殆どなく、手書きの図と絵ばかり。わずかな写真も写りが悪く、昭和40年代の新書掲載の写真を見ているよう。
 残り90ページは、「エラム以前」の石器時代など。2008年7月の出版。

 後者の「波斯拉施特《史集·中国史》研究与文本翻译」は、前半第一部が、「集史」とその中国編の解説。第二部がなんと、中国編の翻訳。盤古にはじまって南宋少主にいたる、36王朝267君主、42875年の君主一覧表の翻訳は圧巻です。出典までは書いてありませんが、夏王朝の各王の年代が全部入っていて合計432年となっていたり(竹書紀年では471年)、漢呂后が皇帝に数えられていたり、更始帝劉玄がだい18王朝151代君主となっていたりと、それなりに集史の世界観が見て取れ参考になります。

 このところ、深圳書城南山店の歴史書コーナーは、著しく充実してきています。お陰で、探していた「竹書紀年」や「世本」「穆天子伝」から、四川民族移民史や巴国史などの地方史まで、幅広い書籍が入手できるようになってきています(とはいえ北京の万聖堂書店などに比べるとまだまだだと思うけど)。中華書局の「漢書」と「史記」も手に入りました。それぞれ45元と28元。邦訳だと8冊くらいもあり、一見大変なボリュームがあるように思えるのですが、古語で注釈もないということで、1冊に収まることがわかって驚きました(そうはいっても「史記」が769ページ、「漢書」が1082ページ、「後漢書」が1051ページあり、とても私には読みこなせるものではないのですが、こうして1冊に収まった状況で見てみると、史記は、ヘロドトスの「歴史」のような、現在のことを説明するために過去に遡った叙述を行う構成であるように思えます(こんなようなことを岡田英弘氏も言ってましたね)。

ところで、歴史コーナの充実が著しい深圳書城南山店ですが、社会学や哲学なども比較的充実している感じです。一方、政治書籍の棚がわずか1棚の片面しかなく(とはいえ2m程の高さがあるが)、驚いたのは、4列のうち1列が、「貞観政要」とか「科挙状元一覧」などとなっていて、政治書に分類される歴史上の名著とその研究書となっている点。その他3列は、題名が記憶にも残らないような書籍ばかり。先週マカオの書店で見た、台湾や香港が出している中国政治指導者の評伝などが多数並ぶ状況と比べると、政治関連は明らかに腑抜けた感じです。政治的な言論出版の民主化はまだまだ遠そうな感じです。

 中国史の棚は1.5m程の棚両面が3個で、2m棚片面1個。世界史欄は政治欄と同じで、2m棚片面1個。しかも諸子百家や考古学書籍や古美術は別コーナーとなっていて、これらをあわせると歴史関連コーナーの割合はかなり大きくなるのではないかと思います。全部合わせても新宿ジュンク堂書店歴史コーナーの1/4にもならないだろうけれど、出版は非常に旺盛で、2,3週間おきに行くと、毎回面白そうな書籍が出版されていて、しかも品質が急速に向上していて、このところ飽きない状況が続いています。

 明日からの連休は、三峡のあたりを旅行して来る予定です。テーマは巴国です。
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by zae06141 | 2008-09-20 00:10 | 古代イラン関係 | Comments(0)