古代世界の午後雑記(移行中)


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
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カテゴリ:その他小説・映画関連( 15 )


名誉殺人映画:トルコ映画『Bliss』、インド映画『Nh10』等

 トルコとインドの名誉殺人映画の紹介と感想です。

 本当は、この手の社会問題を扱った映画は見たくはないのです。映像の力は圧倒的で、洗脳させられてしまう威力があるからです。専門書の場合、いくらイデオロギーに偏った書籍であっても、まともな書籍なら巻末に参考文献があり、それを辿っていけば、必ず異なった視点・まったく正反対の視点から書かれた書籍や論文に行き着けるからです。映画(ドキュメンタリーも同じですが)の場合、エンド・クレジットに参考文献が表示されるわけではないので、実態はどうなのか、は結局書籍や論文、調査報告書などをあたるところからはじめなくてはなりません。

 というわけで名誉殺人に限らず、突っ込んで調べる気構えの無い社会問題については、それをテーマとした映画はあまり見ないようにしてきたのですが、IMDbでミステリータグがついているお陰で、見る羽目に陥ってしまいました。ネットで「名誉の殺人」とされている作品も、意外に扱い方が様々であることもわかり、そのあたりの解説もあった方がいいかな、と思い、本記事を書くことにした次第です。





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by zae06141 | 2016-07-03 00:14 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2015年面白かった書籍と映画と役に立った書籍など

 毎年やっている一年間の読書・映画の紹介記事の目的は、ロングテールです。面白かったり役に立った映画や書籍で、あまりネットでも情報のない作品を紹介することが主目的なわけです。マイナーな本や映画が誰かの目にとまって、少しでもご参考になるなり、あわよくば出版社や製作者の売上に貢献し、今後のマイナー業界維持の回転資金になれば、などという意図があったりしているわけです。しかし昨年はまったく不作でした。2014年を回顧した昨年の記事では、「今年は並べてみても、あまりめぼしいものがありません。今年はこの記事をやめようかとも思ったのですが」などと書いていましたが、昨年は更に不作となりました。読んだ本は20冊、観た映画は30本と、例年の半分くらいしかないこともありますが、少ない割りに良作も多かった昨年と比べると、今年はことごとく外れ(映画の本数が減った分、漫画が増えてますが)。金曜の夜に大規模書店でみつけてたまたま購入した新刊書が、大変面白くて興奮し、その晩ファミレスで一気読み、なんていう至福のパターンは1度だけでした(面白そう、と購入した本はあったのですが、自宅最寄の駅につくまでにつまらないことが判明してしまい、直帰してしまう、というパターンが多かった)。とはいえ、ご紹介したい書籍がないわけではないので、書いてみました(以下more)。


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by zae06141 | 2016-01-08 00:05 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2014年、面白かった書籍と映画

  最近の大手書店の人文学系書籍・ビジネス本売り場はピケティ一色という感じですね。グローバリゼーションか、反グローバリゼーションか(世界経済のトリレンマ論も含め)、と混迷を極めていた欧米日論壇を土台から揺さぶり、方向性を変えてしまいそうなくらいインパクトがありそうな印象を受けます。中国でも翻訳が出そうな気がしますが、イスラム圏ではどうなのでしょうか。議論や研究が深まり、データが精査され、世界的に新たな方向性が見えてくると嬉しいですね。

 さて、今年の回顧です。今年は映画を殆ど見ませんでした。全部合わせても20本程度でしょうか。サウジ・アラビアのドラマ『ウマル』や『インドの発見』は1本45分くらいの連続ドラマなので、これらドラマを2本で映画一本分と換算すれば、映画30本分くらいにはなるので、合計すれば50本相当と、一応のところ、例年とあまり変わらない数にはなりますが、今年は並べてみても、あまりめぼしいものがありません。今年はこの記事をやめようかとも思ったのですが、取り合えずここ数年の習慣でもあるので作成してみました(以下more)

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by zae06141 | 2014-12-30 00:00 | その他小説・映画関連 | Comments(6)

世界で150億の興行収入のあった映画『47 Ronin』は何が悪かったのか

 1994年当時、『ターミネーター2』が公開された時、予算の100億という数字に驚いたものです。1997年の『タイタニック』は予算200億という数字に呆然としました。しかし近年のハリウッド大作映画では、100億円の予算は月並みになってしまっています。米国や先進国だけではなく、グローバルでの興行収入を想定してマーケティングをやっているのだろうな~。いったいどういう地域売上比率になっているのだろうか。とこの半年くらい漠然と考えていました。一方、今月、昨年末に公開され大コケしたと評判の悪かった映画『47 Ronin』の興行収入が150億を突破しました。ロシアでは、過去ロシアで上映された歴代映画ベスト48位(本日現在。ロシア映画と海外映画含む。出典はこちらのロシアのサイトのランキング表)に入る興行収入を上げたとのことで、「日本でヒットしないのは仕方ないとしても、『47Ronin』自体は本当に駄作なのか」「宣伝やマーケティングに問題があったのではないか」などと若干興味が出できました。4月上旬のフランスでの公開を最後に世界各国でのロードショー公開が終了したので、この数値に基づいて、グローバル映画の売上地域構成の分析みたいなものをしてみました。売上数値は映画売上統計サイトBox Office Mojoのものを利用しています(以下more)。

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by zae06141 | 2014-04-29 00:34 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10

 昨年見た映画と読んだ書籍のベスト10です。

【書籍】

1.Sassanian Pars(感想
2.Decline of Iranshahr(感想)
3.比較経済発展論、中国経済史(感想
4.ニーティサーラ(感想
5.ペルシア王スレイマーンの戴冠(感想
6.タックスヘイブンの闇
7.聖書考古学
8.イタリア語の歴史(感想)、アラビア語の歴史古代文字の解読
9.ガラスが語る古代東アジア(感想
10.ジハードの町タルスース(感想
11.漢代物質文化資料図説中国古代建筑史 (第1卷):原始社会、夏、商、周、秦、漢建筑、中国墓室壁画全集1:漢魏晋南北朝(紹介記事
12.ハリウッド100年のアラブ―魔法のランプからテロリストまで、冒険商人シャルダン(感想

11.の漢代書籍は、資料集なので、読んだわけではありませんが、非常に役に立った書籍なので挙げました。古代ローマの建築や日常雑貨などは日本でも様々な書籍が出ていますが、古代ローマの文物本に匹敵するような詳細な漢代文物の書籍を求めていたので、この三冊、特に「漢代物質文化資料図説」は役に立ちました。写真が無く、すべて遺物のイラストなので価格が安く抑えられています。出典が記載されているので、写真はネットで検索すればよく、お買い得です。


【映画】

1.ロペ (16世紀スペイン:日本未公開)
2.タンロンの歌姫 (18世紀ベトナム:福岡映画祭にて公開)
3.ヤズダギルドの死(7世紀イラン:日本未公開)
4.オルダ(14世紀ロシア)

5.blue bird(近未来SF)
6.監禁探偵(感想
7.聖アウグスティヌス(3-4世紀ローマ:日本未公開)
8.ザ・パージ(近未来SF:日本未公開)
9.スリーキングス
10.O.E.D. 証明終了(NHKのテレビドラマ)

 最後の「O.E.D.証明終了」は、漫画原作との比較という点から辛い評価が多いようですが、私は原作漫画を読んだことが無かったので、楽しめました。昔のNHKの少年ドラマシリーズの雰囲気を出そうと意図した演出・脚本となっていたように思え、レトロ感が良かった。「スリーキングス」は随分前の作品ですが、コメディだと思い込んでいて、見始めた時もコメディだと思ってみ初めたので、ちょっと驚きました。

 歴史映画は、他にフィンランド映画「サウナ」(未公開)、ポルトガル映画「ミステリーズ 運命のリスボン」、デンマーク映画「ロイヤル・アファイア」が印象に残っています。ただ、ミステリーズは歴史映画というよりも、南米の幻想文学の舞台を19世紀ポルトガルに持ってきただけという感じで、監督のラウル・ルイスはチリ出身ということで納得できました。本作は、公開時見にいきたいと考えたものの、4時間27分という長さに尻込みしてし行かずに終わったものです。レンタルで見て正解だったかも。映画館なら寝ていたかも。18世紀末のデンマーク王室を描いた「ロイヤル・アファイア」は、あまり知らない地域・時代なので、興味深く、美しい映像・リアルな衣装、俳優達の演技も良かったのですが、肖像画では美男の筈の宰相イメージとワイルドな感じの俳優さんのイメージが違いすぎてあまり入り込めませんでした。あまり期待してはいなかったものの、がっかりしたのが、項羽と劉邦を題材とした「鴻門宴 (2011)」と「王の盛宴(The last supper:邦題(予):項羽と劉邦 鴻門の会:2012)」。どういうわけか中国で二年連続同じ題材の映画が。ひととおりメジャーな題材の映像化が終わってしまうと、同じ題材で調理方法を変える方向にいってしまうのは仕方がありませんが、まだまだ中国史上における映画になる題材は多いと思うので、もう少し正攻法の違った時代の映画を期待したいところです。今年は19世紀スペインに舞台をとった「ブランカニエベス」を観る予定。

 昨年は近年のSF映画を結構見た気がします。「オブリビオン(感想)」、「ワールドウォーZ」、「ロックアウト」、「パシフィックリム」、「ニーチェの馬」、少し古いですが「遊星からの物体X ファーストコンタクト」、「ハード・リベンジ・ミリー」、かなり古いですが「クローン・オブ・エイダ」が良かった。勢い余って「アトランティック・リム」まで見てしまいました。「ワールドウォーZ」を見て、諸星大二郎の手塚賞受賞作「生物都市」の実写映画化をしてみても面白いのでは、と思いました。一方、映画館に行こうと思っていて逃してレンタルで見た「カレ・ブラン」は思い切り期待外れ。「タイム」も期待外れでした。同監督の「ガタカ」と比べてあまりの退行ぶりに、「ガタカ」と製作年が逆なのでは?と思ってしまった程。

 「blue bird」は静かに訪れる人類の終末を描いている小品。結構気に入りました。「人類の終末」という設定には、何故か海辺が似合うというイメージがあります。「渚にて」やバラードの小説「終着の浜辺」などにイメージを植えつけられたのかも知れませんが、「blue bird」もラストは浜辺となっています。

 「パシフィック・リム」を見ていて気づいたことがいくつかあります。ゴジラ映画って東京タワーとか、都庁や幕張メッセなど、日本の新建築物ができるたびに破壊してきたけど、今東京スカイツリーをゴジラに壊させる映画を作ったら問題になるだろうなあ。ブルジュ・ハリファや広州塔などを破壊する映画は作れないかも。と思っていたらゴジラ映画は既に上海テレビ塔を壊していたとは知りませんでした。もうひとつ気づいたことには、私はゴジラ映画(関連怪獣映画含めて)を一本も観たことが無い、ということも知ったのでした。

 SF関連では、数年前の出版ですが、SF漫画の石黒正数の「外天楼」、戸田 誠二「スキエンティア」が印象に残っています。

 その他の映画では、「ブレーキ」、「おとなのけんか」(感想)、「さよなら、ドビュッシー」などが楽しめました。

今年はWeb上の記事も挙げてみました。

1.バハラム様のサイト「空の旅」のファールス州東部のササン朝遺跡調査旅行記(「空の旅」->イラン->2013)
2.政策研究大学院大学林玲子氏の2007年博士論文「世界歴史人口推計の評価と都市人口を用いた推計方法に関する研究」 
3.古代・中世ホラズム遺跡サイト「The Karakalpaks

特に1と3は、世界中で、ネット上に詳細な写真を掲載しているサイトはここしかないといえる内容で、情報量も半端なしに多いだけではなく、クオリティも非常に高い内容です。どちらも古代イランに興味のある人は必見です。

2014年、面白かった書籍と映画
2012年に読んだ本・見た映画ベスト10
2011年に読んだ本・見た映画ベスト10
2010年に読んだ本・役に立った本ベスト10
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by zae06141 | 2014-01-06 00:09 | その他小説・映画関連 | Comments(2)

2012年今年読んだ書籍と観た映画ベスト10

 今回はジャンル別に並べて見ました。

1,オスマン帝国史の諸相(感想)、イスラーム都市研究(感想)、エジプトイスラーム都市アル・フスタート
2.サンスクリット(感想)、インドの曙 ヴェーダとウパニシャッド(感想
3.パフラヴィー語の文法と文学、ペルシア語の話(感想)、ペルシア文芸思潮(感想
4.中国語の歴史
5.インドの文学(感想)、サンスクリット文学史(感想)、フランス語の誕生(感想
6.中国建築史の研究トルコ・イスラム建築、Islamic Art and Architecture: From Isfahan to the Taj Mahal(感想
7.宰相ラークシャサの印章(感想
8.グローバル・ヒストリーの挑戦、グローバル・ヒストリーとは何か(感想)、経済史への招待
9.ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から

 今年は図説ふくろうの本、山川リブレット、ユーラシアリブレット、新書ばかり読んでる気がしましたが、それ以外の本は手応えのある書籍がおおく、例年だと役立った本(専門書などは興味のある部分だけしか読まないので、半分くらいしか読まない本が多い)が多数あるのですが、今年はそういう本が僅かしか無く、専門的な書籍は、数が少ないものの、上記にあげた本は全部読了しています。

 それにしても図説ふくろうの本、ここ2,3年狂ったようにたくさんでているように思えるのは気のせいでしょうか。河出書房新社のHPをみると、確かに2010年くらいから出版点数が急増しているような印象があるのですが、絶版となった書籍がHPに全て掲載されているのかどうか定かでは無いので、なんとも言えないのですが、印象ではここ数年の出版点数が激増している気がします。かつて中央公論社の「物語 世界の歴史」シリーズが結構好評だったことがあったかと思うのですが、「物語シリーズ」が頭打ちとなってきてしまい、読者の関心が「物語シリーズ」で描かれた地域への、視覚的段階へと向かったニーズを、図説ふくろうの本がうまく救い上げた、という気がします。ただふくろうの図説も、世界史については基本欧米なので、欧米以外の地域の図説シリーズも期待したいところです。

 冒頭に並べた書籍を見直してみると、大体、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史、史料」本が殆ど全部です。自身の歴史への興味の対象が、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史・金融史、史料・映画」が中心であることを改めて認識した次第です。なぜこういうことになっているのかを考えてみるに、旅行に行った場合、その国に入国して最初に必要なものは、貨幣、簡単な言葉(挨拶、購買、など)の2つであり、入国して遭遇するものは、その国の視覚的な物体(建築物、風景)であるということが、「語学・文学」「建築・遺跡」「経済・金融」に対応しているように思えます。更に言えば、これらは、主観的な世界認識のあり方(言語・文学、風景(建築・遺跡)、映画、叙述的な世界認識)と、客観的な世界認識のあり方(経済・統計・データなど)に行き着き、多様な世界認識のあり方を知ることで、自身の先入観や価値観を耐えず相対化して視野を広げてゆき、現代世界とその行く末についての考えを深めることにあるのだと思った次第です。結局のところ、私の旅行や歴史への興味の大元には、現在世界とその未来へ思いを馳せる手段のなのだ、と思ったわけなのでした。

 今年は、言語・文学史本として、「韓国語の歴史」「朝鮮文学史」、「ベトナムの詩と歴史」も図書館で参照しました。分厚いのと出版が古すぎる(いずれも1975年以前)こともあり、一部を読んだだけですが、言語・文学史料・作品にどのようなものがあるのか概要を知ることができて参考になりました。「アラビア文学史」、オランダ語とオランダ文学史本の「オランダ語誌」、ゲルマン語の概説史(他書との差別化の為にゴート語や北欧語史の分量が多い)本である「ゲルマン語入門」は購入しただけで読んではいないのですが、来年読みたいと思っています。ふくろうの本でも、図説ベトナム史やタイ史をそろそろ出して欲しいと思う次第です。

9行目にあげている「ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から」は、書籍ではなく、45頁のpdfですが、こういう情報をずっと読みたいと思って探していたので、まさに念願の内容が読めて感激しています。 古代ローマ時代の「長期的平和な時代の地方の中堅層」の主観的意識や客観的なあり方(訴訟や経済活動など)について、私にとってど真ん中の論考及び史料翻訳でした。皇帝の主観的記述であれば、マルクス・アウレリウスの「自省録」があり、県知事クラスの役人の主観的記述であれば、「プリニウス書簡集」が邦訳でも出ていています(キケロやカエサルも著作を残していますが、特殊な時代の特殊な人々であり、更に世界史上でも図抜けた人々なので、彼らに比べればもっと平凡で平和な時代を生きた人々の主観世界に興味があるわけです)。しかし、プリニウスクラスよりも更に下の階層は、そもそも後世に残るような著作を残したりしない階層なので、史料がより少なく、なかなか意識を知ることができないのですが、本pdfでは、古代ローマの地方の、しかもローマとかアレキサンドリアなどの特殊な大都市ではなく、エジプトの地方都市の郊外で荘園を経営している一族の手紙の翻訳(p21以降45頁までが翻訳)が掲載されています。当時の一般の人々は、皇帝を実際には何と呼んでいたのだろう。日々のカレンダーはどのような言葉で認識していたのだろう、など日常生活の意識や認識に関する記載が色々登場しています。

 また、本論考の前半は、史料の分析を行っており、納税リスト(当時の地主層のランキングがわかる)や、文書の残る特定の年のある地主一家の収支決算、小作人との貸借関係や、州長官との距離感、アレキサンドリアのような総督所在大都市との関係、物価、農村部の貨幣経済、(ローマ政界に打って出るような人物を出すような特殊な家柄ではなく、あくまで地方で終わった一族の系譜の復元)など、社会史、数量経済史、地方行政史等かねがね知りたいと思っていた情報がふんだんに掲載されていて、この論考の存在を知ったのは午前零時を回り、寝る直前だったのですが、翌朝いつもより早めに出勤しなくてはいけなかったのにも関わらず、午前2時までかかって一気に全部読んでしまったのでした。ローマ時代は都市は遺跡がふんだんに残っているので景観はわかりやすいのですが、農村の景観はいまひとつイメージし難いものがあります。本論考は、ローマ時代の農村部の景観についても多くの情報を与えてくれました。自分の中では、ローマ時代への興味はこれで一区切りついてしまったようにさえ思える貴重な論考でした。こういう史料が帝政期のローマ全土について残っていてくれると嬉しいんですけれど。



 今年は映画はあまり見ませんでした(といっても50本くらいは見ているので、平年並に戻ったということです。昨年が異常でした)。一位の「カティンの森」は、昨年であれば、11位というところでしょうか。

1.カティンの森(1940年のカティンの森事件)
2.緑の火(3世紀から現在までのイラン)
3.「壮麗なる世紀」(16世紀トルコ)第63話の最後の4分半
4.テレサ-キリストの体(16世紀スペイン)
5.ゼノビア(3世紀ローマ)
6.プリンセス・エーボリ(16世紀スペイン)
7.神弓(17世紀朝鮮)
8.「フード・インク」と「いのちの食べ方 Our Daily Bread」(グローバリゼーション批判)

 最後の2本は、同じような傾向の作品なので同じ順位に並べました。聞き知ってはいたものの、食肉の製造がここまで機械化され、テニスボールのように鶏が製造されてゆく映像は衝撃でした。
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(この後、雛は壁一面の棚の「引き出し」に入れられるのだった)

 考えてみれば、子供の頃、実家の近所に養鶏場があり、孵った雛の雌雄をえり分けて、バスケットにポンポン放り込んでゆく作業や身動きできない棚に詰め込まれた成鶏を思い出すに、それが機械になっただけで、あまり変わらないわけですが、しかしまあ改めて、食事前に食肉・魚に限らず、野菜・果物含め、感謝する習慣が戻ってきました。キリスト教徒なわけではありませんが、日々の食事が他の生命の上に成り立っていることを忘れずにいたいと思います。

 ところで、ベスト10に入れたい程ではありませんが、今年他に印象に残った作品には以下のものがあります。

・プロメテウス
 エイリアン(1979年)のパクリ映像がよかった。前半「エイリアン」と同じようなカメラワークが何度も登場し、「最後までこれでいくのか、さんざんパクリ映像を入れておいて、どこかの時点でオリジナルに向かい、予想を裏切ってくれるのか」というような、ホラー映画(お約束と裏切りをうまく入れるのがミソ)を観るノリで楽しめました。

・トータル・リコール
 未来都市の映像に期待しましたが、期待外れ過ぎて反って印象に残ってしまいました。CGCGし過ぎで、80年代以前の未来都市絵画をそのまま映像化しただけな感じ。未来都市映像としては、「フィフス・エレメント」や「マイノリティ・レポート」と比べても新しさを感じなかったのが残念。

 とはいえ、この二本は、「エイリアン」「ブレードランナー」「トータル・リコール旧版」を見ていない若い世代にとっては、この三本を公開時に観た世代が公開当時に受けたのと同じようなインパクトを受けるかも知れません。

・Fetih 1453
 1453年オスマン帝国によるコンスタンティノープル陥落を扱った、恐らくトルコ今年最大のヒット作。
 予告編映像で予想したよりは良かったものの、やはりゲーム映像に見える部分も多く、CGで再現した末期コンスタンティノープルの宮殿が大きすぎ・きれい過ぎなど、感想を書いてて自分がわがまますぎるとは思うものの、もう少しリアリズムを追求した作品が将来的に登場して欲しいと思う次第です。

2014年、面白かった書籍と映画
2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10
2011年に読んだ本・見た映画ベスト10
2010年に読んだ本・見た映画ベスト10
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by zae06141 | 2012-12-31 16:07 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2012年:今年読んだインド史関連本

 今年2012年は、12/24日現在34冊の本を読んでいます。うち8冊がインド史関連。現在と未来のインドを扱ったものを含めて広い意味でのインド史ものは11冊です。読書録からすると、今年はインドがちょっとしたインドブームだったような印象を受けてしまいますが、自分の中ではまったくそういう印象は無いのでした。読んだ書籍は面白く、参考になるものが多いかったものの、結局インドに旅行する気にはならなかったのでした。特に書籍「サンスクリット」には私の古代インド文化へのこれまでの印象が覆される程衝撃を受けましたし、「宰相ラークシャサの印象」も今年読んだ書籍ベスト10に入る面白さだったのですが、旅行熱に火がつく事態には至りませんでした。以下の○囲いの番号のものが、特に面白く、或いは参考になったもの。○がついていないものは、有用でないとは言わないけど、他書でも代替できそうな本、或いはイマイチだった本です。

①.インドの文明の曙-ヴェーダとウパニシャド(前15-8世紀頃を対象)感想
②.サンスクリット(前5-後17世紀を対象:感想
③.宰相ラークシャサの印章(5世紀作:感想
④.遊女の足蹴―古典インド劇・チャトゥルバーニー(5世紀後半-6世紀前半の作)
⑤.遊女の手引き―クッタニー・マタ遣手女の忠言(8世紀末作:感想
6.インド社会とカースト
⑦.マハラジャ 歓楽と陰謀の日々―インド裏面史(19-20世紀を対象)
⑧.グローバリズム出づる処の殺人者より(2007年作)
9.第三面の殺人(2007年作)
10.サイバラバード・デイズ(2023-55年頃を対象)
⑪.インドの文学(感想

 主だったものはアマゾンレビューに感想を書いてあるので、本記事では、それ以外の数点について内容と感想を記載したいと思います。


(1)「マハラジャ 歓楽と陰謀の日々―インド裏面史」

 概説史レベルのインド通史書籍では、近代インドというと、東インド会社-英国植民地-独立運動という記載が殆どですが、歴史地図を見ると、藩王国というものが結構な領域を占めています。一方現在のインドを扱ったバラエティ番組などで、「マハラジャ」なる富裕な一族が紹介されることがあります。インド映画では、近隣の民衆に対して王族のように振る舞う地方地主が登場します。彼らは一体何者なのか。藩王国は実際どういうもので、現在にどのような形で残っているのか、と受験生の頃から漠然と抱いていた疑問を解消したくて読んだ書籍です。いくつか疑問は残るものの、英国支配時代の藩王国の実態や、インド連邦成立後のマハラジャ一族の末路などが具体的に紹介されていて、基本的な疑問は解消しました。端的に表現すれば、英国植民地政府と藩王国の関係は、幕府と諸藩、インド連邦成立時には廃藩置県が行われ、マハラジャ一族は明治時代の華族の如く、現インドに残っている。ということになり、「まあそんなもんなんだろうな」という感じ。特に驚くような情報があったわけでも無いのですが、具体的記載を知ることができて有用でした。幾つか残った疑問の中で大きなものは以下の2点。

 -藩王国の家臣は、日本の江戸時代諸藩と違い、諸藩国の間を渡り歩いて、キャリア・パスを積んだりしていて、流動的。マハラジャの事例たくさん出てくるのでだいたいわかりましたが、一方、「家臣の一生」について気になるようになりました。
 -英国植民地政府は藩王国の内政に関与せず、外交・軍事に特化する、英国は自国支持勢力確保の為、藩王国を設置することがあった、という点は理解しましたが、藩王国の市場を英国が独占するとか、多額の税金を受け取るなどの描写が出て来なかったので、英国にとって藩王国の利点はそれだけなのか気になりました。


(2)グローバリズム出づる処の殺人者より

 インド出身の著者による2007年の出版とのことで、匂い立つような21世紀のインド(ただし著者が渡米して米国の大学を出ていることもあり、半ば外から見たインドという印象もある)の香りが漂ってきます。出版社が保守の文藝春秋社なので、グローバリゼーションにネガティブなイメージを与える意図があったのものと推察しますが、こんな題名にしてしまったのは残念です。原題の「THE WHITE TIGER(本書では、種の中で目立つ異端者、の意)」を活かす訳題はなかったのでしょうか。


(3) 第三面の殺人

 インド人著者の推理小説。孤立した館もの。英国支配時代、英文学の影響を受けたこともあり、海に面した絶壁の上に立つ館を雷雨が襲う雰囲気は、舞台がアイルランドや英国西海岸だと言われても納得できそう。登場人物達は確かにエキセントリックで、この点インドっぽいと思わなくもないけれど、館モノの推理小説に登場する人物はたいてい個性的過ぎるので、登場人物達の描写がインド人著者ならではの描写と言えるのかどうか。。。原文の味を出そうと訳者が意図したのか、訳の問題なのか、読みやすい文章ではありません。中盤で登場するディナーのメニューが、それれぞれインド史上の場所と年代に関連しているのですが、特に近世以降については、概説史書籍ではあまり目にしない年代・地名が多く、この辺りにインド人の歴史観が垣間見えるように思え、興味深くはありました。題名の「第三面」とは、「三面記事」の三面のことで、登場人物達が新聞の三面記事に登場するようなセレブを意味しているということです。現在インドのメディアにおいてセレブがもてはやされている状況に題材を取ったということのようです。同じアジア推理小説シリーズで、韓国、タイ、インドネシアの作品も読みましたが、巻末の解説によると、推理小説がジャンルとして根付いている国はまだまだ少なく、英文学の影響のあるインドはまだ作品がある方なのだ、ということがわかりました。既に出版されているのかも知れませんが、本シリーズの巻末の解説のような、その国の推理小説状況解説と短編をつけた世界推理小説短篇集を読んでみたいと思いました。


(4)「サイバラバード・デイズ」

 英国SF作家の近未来インド短篇集。未来史ものが読みたかったわけではなく、インド人が自国の未来SF小説を書いた場合、そこから現在のインド人の意識を読み取りたいという意図でインドのSFを探していて遭遇した作品。2023年頃から2055年以降(恐らく2070年頃迄)のインドを描いています。2020年頃勃発した戦争でインドは8-12(数がはっきりしない。あとがきでは8とあるが、本文中(p127)に12の国が争う、との記載がある。ただし、12の国にはネパールやパキスタンが含まれている可能性がある)の国に分裂し、恒常的な戦争状態にあるという設定。主な国は以下の通り。


・オウド
 アウドとも。都デリー。オウドとは、英国が付けた国名「インド」の訛りの模様(アワド太守国の領域かも知れない)。ガンジス河上流にクンガ・ダール(またはクンガ・カダール)ダムを構築し、2047年に下流の国々と”水戦争”を起こす)

・バラット
 都ヴァラナシ、新都ラナプール。バラットは、現在のインドの正式名”バーラト”の訛り。大統領や首相をラオ一族がしめ、ラオ王朝と呼ばれる。ラナプールの名称は”ラオの都”。AIが演じるドラマ「タウン・アンド・カントリー」や、AI関連のソフトウェアが基幹産業で、ソープオペラ国家、データ・ヘイヴン国家と呼ばれる。

・ベンガル合州国
 水資源対策として南極から氷山を運び、人工的にモンスーンを起こそうとしている。
・ラージプターナ(都ジャイプール)
・ネパール(都カトマンドゥ)

以下の諸国は舞台としては登場していないが名前が登場している。

・マラータ
・カルナタカ

残りの国が以下である可能性がある(明確に言及されていない)
・カシュミール
・タミル・ナドゥ
・パンジャープ

各短編の舞台と年代は以下の通り。

「サンジーブとロボット戦士」(2023年、バラット)
「カイル、川へ行く」(年代不明。バラット)
「暗殺者」(年代不明。ラージプターナ)
「花嫁募集中」(2045年、オウド)
「小さき女神」(2034-43年、ネパール、オウド、バラット)
「ジンの花嫁」(年代不明(モンスーンが来なくなってから3度続いた旱魃の年(2050年に「この七年間で4回モンスーンが来なかった」とあるので2045年頃?)、オウド)
「ヴィシュヌと猫のサーカス」(2023年頃-2055年。最後の方は2050年頃から数十年後(2070年頃?)の模様。)


【小道具(ガジェット)】

AI  世代レベルがある。米国は人権擁護の為レベル2.5以上を違法化するハミルトン法協定をインド各国に迫っている(短編により、2.8より下は検査とライセンス監査の適用を求めており、整合性をとれば、2.8以上が違法、2.5-8が管理、2.5以下が適法となる)。

 レベルの具体的な内容
  -0.8 豚や鶏、1 猿、2(70%の人と区別できない)、2.9(99.9%の人と区別がつかない)、3(人間以上)

 物語当初は最高2.8だったのが、話が進む内に2.9が開発され、最後は3が登場する。

クリシュナ・コップ  違法AI摘発警察

ハミルトン法協定  AI欄参照

タウン・アンド・カントリー バラット国のAIだけが登場するドラマ。同国の外貨の25%を占める世界的ヒット番組。2050年頃、ハミルトン法協定適用により打ち切り。

アサド・ジュドラ水資源会社  ラージプターナ屈指の大企業。

パーマー AI端末の普通名称。

シャーディー 婚活のこと。

ボダイソフト  人間の意識をアップロードすることができるヴァーチャル世界。


。。。。なんでこんなものをまとめているかというと、小説中、まとまった歴史解説が無いからなのでした。擬似歴史小説では、主人公が歴史を学習したり、登場人物の誰かに歴史の解説をさせたりと説明的な文章が入り、それが小説世界の歴史の理解を助ける一方、興覚めともなったりするのですが、本書ではそういう解説が殆ど無いので、私の性格上どうしても整理したくなってしまうのでした(英語サイトまでは調べていませんが、日本語サイトでは、本書の小説世界の歴史をまとめたサイトはなかったので)。ついでにいうと、本書が面白かったからやっているというわけでも無く、寧ろあまりピンと来なかったので、設定を纏めてみれば、読んでいる時には気づかなかった諸点が腑に落ちたり、作者の設定力に感心したり(例えば分裂諸国がどのような区分で分裂したのか、言語なのか、宗教なのか、など)するかなー、と思ったわけです。で、コレを書きながら、パラパラとめくっているうちに、確かにネットで褒めている方が指摘されている点がいくつか理解できはしましたが、今ひとつという印象は変わりませんでした。

 恐らく、本書の出来栄えとは関係なく、私が求めているのは、もっとインドが匂い立つような何かだから、なのかも。これは難しい話で、本書を英国人作家と知らずに、インド人作家だと思いんで読んでいたら、少し印象が違っていたのかも知れませんが、インド出身者が書いた「グローバリズム出づる処の殺人者より」にも、欧米視点を感じてしまったので、仮に本書がインド人作家の作品だとしても、”極めて欧米化したインド人”という印象を受けたかも。基本的には欧米人がインドに旅行したり、観光ガイド片手に書いたという印象です。あとがきを読むと、作者は、日本やブラジル、最近ではイスタンブルを舞台とした作品(Dervish house)を書いているとのことなので、やはり”観光作品”という枠内の作品という気がします。とはいえ、現実のインドとは関係なく、抽象的な世界の話としては、都市のイメージや印象に残ったストーリーがありました。特に、「小さき女神」は読後感もよく瑞々しい作品でした。

 なんだかんだ書いてないでインド人SF作家の作品を読めばいいのですが、邦訳で見つかったのはこれだけだったのでした。今年はインドアマゾンができたことですし、そのうちインド作家のSF作品も読んでみたいとおもいます。
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by zae06141 | 2012-12-25 00:09 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2011年、役に立った書籍・面白かった書籍ベスト12、映画ベスト50

 今年は映画ばかり見ていたので、本はあまり読めませんでした。

1.通貨経済学入門(感想
2.Autobiography of Emperor Charles IV: And His Legend of St. Wencesias (Central European Medieval Texts)(感想
3.王権と貴族(感想
4.ビザンティンの聖堂美術(感想
5.最新 世界情勢地図 パスカル・ボニファス著(感想
6.ギリシア危機の真実(感想
7.欧州激震(感想
8.ソブリン・クライシス(感想
9.民主主義がアフリカ経済を殺す
10.終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ (感想
11.欧州連鎖危機(感想
12.インド建築案内


 2のカレル四世自伝は、半分ラテン語なので読めず、実質100頁。3は実質180頁しかなく、論文が底本とはいえ、写真や地図も掲載されており、文章も平易なので、3時間程度で読み終わってしまう内容。4は1/3が写真と図。これも3時間程度で読める書籍。5は事実上地図帳、12は写真集に近いので、読んだというより、眺めた本。

  9と10は、年頭の「アラブの春」に触発されて震災前に読んだもの。 1,6-8、11は、10月初のベルギーのデクシア破綻をきっかけに再燃した欧州債務危機をきっかけに読んだもの。

 というわけで、今年読んだ書籍で多少重たい本は、「民主主義がアフリカ経済を殺す」と「欧州激震」くらい。来年は、今年買い込んだだけで終わった重たいポーランド史の書籍、「匿名のガリー年代記」や恒文社「ポーランド史」、「EUにおけるポーランド経済」などを読みたいと思っています。

 大して読めなかった書籍に対して映画は異常に沢山見れました。全部で124本。うち109本が歴史映画です。、1年間でこんなに見たのは学生時代以来のことです。

 以下、今年見た映画のベスト50です。大作映画ばかりげっぷが出る程見たためか、小品が結構上位に来ました。


1.フランス王妃ヤロスラヴナ(11世紀ロシア) 
2.Into Eternity 100000万年後の安全(ドキュメンタリー)
3.カーディシーヤ(7世紀サーサーン朝)
4.偉大なるムガル帝国(16世紀インド)
5.クニャーザット(13世紀ブルガリア)
6.王妃ボナ(16世紀ポーランド)
7.ハン・アスパルフ(7世紀ブルガリア)
8.クライシュ族の鷹(8世紀スペイン)
9.この私、クラウディウス(1世紀ローマ) 
10.王家の夢(15世紀ポーランド)
11.黄金の世紀(10世紀ブルガリア)


11.ミハイ勇敢公(16世紀ルーマニア)
12.BBC The rise and fall of Empire 第三話 ティベリウス・グラックス(前2世紀ローマ)
13.戦車を駆る女王テオドラ(6世紀ビザンツ)
14.女教皇ヨハンナ(9世紀ドイツ・イタリア) 
15.クルム汗(9世紀ブルガリア)
16.秘密兵器(14世紀ブルガリア)
17.マンガル・パンデイ(19世紀インド)
18.ニーベルンゲンの歌(1924年版:ドイツ)
19.聖ヴァーツラフ(10世紀チェコ)
20.異教の女王(8世紀チェコ)

21.荊の城(19世紀英国)
22.シンデレラの醜い姉の告白(17世紀オランダ)
23.バーバラ・ラジウヴナのための墓碑銘(16世紀ポーランド)
24. ポンペイ最後の日(1984年版:1世紀ローマ) 
25.王の代官(13世紀チェコ)
26.ブレインデット(スプラッターコメディ)
27.Clash of Empires(アレキサンダーの剣)(2世紀ローマ・漢) 
28.キョセム・スルターン(17世紀オスマン朝)
29.ヨアン・アセンの結婚(13世紀ブルガリア)
30.アル・クアッカー・ビン・アムル・アル・タミーミー(7世紀正統カリフ時代)

31.アレキサンドリア(5世紀アレクサンドリア)
32.バートリー(17世紀ハンガリー)
33.カラムラト 海賊編(15世紀オスマン朝)
34.ヴラド・ツェペシュ(15世紀ルーマニア)
35.カジミェシュ大王(14世紀ポーランド)
36.黒死病(1348年英国)
37.ハンナ(スパイもの)
38.ミルチャ公(14世紀ルーマニア)
39.ツァール(16世紀ロシア) 
40.七人の眠り男(2-5世紀ローマ)


41.エジプト製ドラマ・クレオパトラ(前1世紀エジプト・ローマ)
42.ローマのヒーロー(前5世紀ローマ)
43.勇者ヨシヒコと魔王の城(ギャグ)
44. 鷹の眼(1218年デンマーク)
45.アナスタシア・スルツカヤ(15世紀頃ベラルーシ)
46. グッバイ!レーニン(1989-90年東ベルリン)
47.パイレーツ・オブ・バルト(14世紀デンマーク)
48.サンタ・サングレ(サイコスリラー)
49.アンダーグラウンド(1939-1992年のセルビア)
50.ソロモン王(前10世紀イスラエル)

 リンクのあるものは、感想を記載したものです。ドイツ歴史教育番組「DIE DEUCHEN」は教育番組なので一覧からは外しましたが、これも良い作品でした。

2014年、面白かった書籍と映画
2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10

2010年に読んだ本・役に立った本ベスト10
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by zae06141 | 2011-12-31 12:39 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

2010年面白かった本・役に立った本ベスト10

 殆どこのブログでご紹介してきた書籍ですが、本好き・歴史好きな方のご参考になれば、とちょっとまとめてみました。今年は調べものが多く、参照した書籍は例年よりも多いのですが、読んだ本は少ないので、ベスト10もぎりぎり10冊用意できた感じです。

1)面白かった本ベスト10

1.アレクサンドロス変相
2.クリスティ・ハイテンション
3.ガヴァネス
4.ピラミッド以前の古代エジプト文明
5.レイモンド・デ・ローヴァー「為替手形発達史―14世紀から18世紀―」
6.イタリア病の教訓
7.イスラーム世界の創造
8.ドイツ病に学べ
9.QUO VADIS~クオ・ヴァディス
10.乙嫁語り

 コミックが3本も入ってます。。。。これ以外に読んだのは、岩明均「ヒストリエ」の第6巻だけだから、結構コミック率が高くなりました。それにしても今年はコミックを読まなくなりました。中国駐在中でさえ、出張帰国時に、まんが喫茶で、「医龍」「クロサギ」「ラストイニング」の3本をまとめて読んでいたのに、帰国後はまんが喫茶にもいかなくなり、これら3作も途中で興味が途切れてしまった感じ。中島梓(栗源薫)が1989年のエッセイ「マンガ青春記」で、「我々は死ぬまでマンガを読み続ける最初の世代」と記載していましたが、どうやら私は脱落しそうな感じ)。

 また、今年は、1988年の創刊以来20年に渡って毎年購入し続けた「このミステリーがすごい!」を買わなかった、という点でも、読書傾向が変わった年といえるかも。

「クリスティ・ハイテンション」は、アマゾンのリコメンド機能で知った作品。今年の夏頃経済について調べていて、下記「役立った本」にも出てくる「経済政策の課題」の中で、19世紀末英国の大不況と長期デフレについて知り、大不況期の英国経済について様々な文献を渉猟しているうちに、アマゾンのリコメンド機能で上位にあがってきたもの。「クリスティ・ハイテンション」5冊中3冊はブックオフで購入したのですが、2冊をアマゾン中古を購入したところ、新谷かおるの著作が上位に来るようになってしまい、「エリア88」「砂の薔薇」などを「持ってます」とやったところ、今度は「QUO VADIS~クオ・ヴァディス」がリコメンドの上位に来るようになってしまいました。ブックオフかなにかで内容を確認しないことには、「興味がありません」ともできないので、3ヶ月間リコメンドの上位を占め続けられ結構邪魔だったのですが12月下旬に第1巻が送料含めて251円に下落したので、試しに一冊購入してみたところ、まあまあ面白く、その2,3日後にブックオフで、2,5,6巻が100円、3,4巻が350円で出ていたので、とりあえず6巻まで読んだところ。たまたま読んだ直後なので、ベスト10に入れてしまいましたが、読み返す程の作品ではないかも。だいたい年末にベストなどを考えると、年の後半の作品に偏るものですが、今年は、1月から6月中旬まで殆ど本を読めずに終わったので、後半
に偏らざるを得ないのでした。それにしても、「クオ・ヴァディス」は6巻まで1251円かけてますから、新宿まんが喫茶の5時間コース分。まんが喫茶に行ってもよかったかも。引っ張るストーリーは面白いのですが、完結した後は古書屋行きになりそうな予感。

 「クリスティ・ハイテンション」は、シャーロック・ホームズの姪が登場する推理物。アマゾンのレビューを読んで、「いくらなんでも子供とホームズの取り合わせは。。。。」と最初は興味が無かったのですが、結構好きな「砂の薔薇」のキャラが登場しているということで購入してみたところ、何度も読み返すようになってしまい、ドイルの原作も再び読みたくなってしまったのですが、原作を読んでみたところ、なんと、おじさんばかりしか登場しない味気ない作品に思えるようになってしまいました。「クリスティ」と原作とでは、カラーとモノクロ写真くらいの違いを感じるようになってしまい、原作を読めなくする程の影響力があった作品ということで、「クリスティ」が上位に来てしまいました。まあやはり、女性が登場する方が華があっていいということなのかも。また、10歳の主人公が全面的に活躍するわけではなく、経験・知識も豊富なホームズが、結局は原作通りに解決する話も多く、クリスティは寧ろワトソン役であったりすることもあることから、ホームズの存在感を損なうことなくバランスのとれたストーリ展開となっている点も、うまく料理した作品、という印象です。

 「ガヴァネス」は、図書館でたまたま見つけ、題名を見ただけでは中身がわからない歴史本などまず無い、と思っている程の歴史オタクを自負しているのに、わからなかったのが悔しかった作品。中身を見たところ、ヴィクトリア朝の話だとわかり、読んでみた次第。要するに10冊のうち、7冊は、夏の参議院選挙以降経済政策についていろいろ調べているうちに出くわした本関連ということなのでした。ちなみに「カヴァネス」の次はレビューで評判の良い中公新書の「ヴィクトリア女王―大英帝国の“戦う女王”」を借りてきて、2,3興味のある箇所を読んでみたのですが、大英帝国の頂点を築いた偉大な女王というイメージに期待していたせいか、武帝の祖母竇太后や元帝夫人王政君など、老年になって子供や孫の皇帝に口出すばあさん、というイメージになってしまいました(女王の場合、子と孫の帝に相当するのは首相と議会)。まあ19世紀の歴史に如何に自分がこれまで知識も興味も無かったのかがよくわかりました。それにしても女王の死の床にヴィルヘルム2世(孫)がいたとは。この様子を見るに、ヴィルヘルムにしても、世界大戦があんな悲惨な長期戦となるとは思っても見なかった、という話は本当なんでしょうね。。。。
(ちなみに19世紀英独経済本のみならず、ビスマルクの伝記まで読んでしまいました。ぜんぜんベストに入ってませんが、結構この時代についての読書率のポーションは高かったんですよね)。

 最後の「乙嫁語り」は、近所の本屋に「ヒストリエ」6巻を買いに行った時に、平積みになっている扉絵を見て購入したもの。同じ作家の他の著作を読んだことも、絵すら見たことも無く、読者評も読んだこともなく、そもそも聞いたことも無い作家の本を、扉絵だけで購入したのは、恐らく人生初めてのことです。それだけ、扉絵の民族衣装にただならぬ作者の造詣と熱意を感じたためです。そしてそれはあたりました。「古代世界の午後」のサイトの方ではまったく紹介しておりませんが、実は私は民族衣装も好きで、旅先の民族衣装の写真はかなりあります。「乙嫁語り」は、いづれこの辺の経緯を含めてブログ記事でもわたしなりのご紹介してみたいと思っている作品です。それにしても、作者が「あとがき」で書いている心情。。。。ものすごくよくわかります。



2) 役に立った本ベスト10

1.アレクサンドロス変相
2.レイモンド・デ・ローヴァー「為替手形発達史―14世紀から18世紀―」
3.Exploring an Islamic Empire: Fatimid History and Its Source (I.B.Tauris in Association With the Institute of Ismaili Studies)
4.「The Sasanian Era (The Idea of Iran)
5.経済政策の課題―経済改革からデフレ出口戦略まで
6.新しい国際金融
7.インド厄介な経済大国
8.記録と表象 史料が語るイスラーム世界 (イスラーム地域研究叢書)
9.Introduction to the Sources of European Economic History: Vol.1: Western Europe, 1500-1800
10.「清朝支配と貨幣政策」
11.古代エジプト都市文明の誕生
12.「嘘と貪欲
13.Assar氏のパルティア関連論文
14.「中国歴史研究入門」

 これらの本は、資料や次のステップへの道を開いてくれた、という意味で、全部読んだ本は殆ど無いのですが、一冊を例外として、基本的に半分程度読んだ本を目安に入れてみました。「Introduction to the Sources of European Economic History」なのですが、これはデータ集という側面が強く、読破するようなものでも無いので、例外扱い。残りの「アレクサンドロス変相」は3/4、「The Sasanian Era」と「記録と表象 史料が語るイスラーム世界」は7割くらい、今丁度読んでいる「Fatimid History and Its Source」が6割、「経済政策の課題―経済改革からデフレ出口戦略まで」と「新しい国際金融」に至っては3から4割程度(ただし今後も参照するのでいづれは7,8割はカヴァーすると思われる内容)。全部読んだのは、「為替手形発達史―14世紀から18世紀―」(翻訳が出ている部分だけだけど)「インド厄介な経済大国」「古代エジプト都市文明の誕生」くらい。最後のエジプト本は、「なんでこんな感じの古代イラン本が出ないんだ!」という見本として役立った、という意味で入れました。

 ところで、「Fatimid History and Its Source」を購入したのはもちろん、「アジア歴史研究入門 第4巻」の前期アラブの史料案内の最後の行で、

 「なお、ファーティマ朝に関する文献については紙数も尽きたので割愛する」(p554) 

と書かれてあった為で、わざわざ購入せにゃならんかったものです。それにしても題名通り、理想的な書籍でした(欠点もいろいろあるけど)。序章で全体の概観を行い、前半で歴史、後半で、史料(コイン、碑文、建築物、同時代史料(文書、伝記)、後世の歴史書(アユーブ朝やマムルーク朝に書かれたもの)、文学、現代の研究状況)など、あまり知られていない国の入門書として、歴史と史料を半々で扱い、しかも現在の研究状況が記載されている点、理想的な書籍です。後ウマイヤ朝、マムルーク朝、グルジア史などについても、こんなスタイルの書籍が出て欲しいものです。本書については来年本ブログでも紹介するつもりですが、昨年年末から今年年初に読んだ「アレクサンドロス変相」、1年間、ブログで紹介しようと思いつつ、遂にできないまま終わってしまったかと思うと、ファーティマ朝本や「乙嫁物り」もどうなることやら。
 
 それにしても、今年はめっきり新刊を買わなくなりました。今年購入した新刊は、「ヒストリエ6」「乙嫁物語1-2」(メアリー・ボイスの)「ゾロアスター教」「素晴らしき新世界」ドイツ経済―統一後の10年」「朝鮮貨幣金融史」「中世末南ネーデルラント経済の軌跡」だけ。しかも後半の4書は、Amazonに出ている中古よりも書店の新刊の方が安かったからという理由。

 最近は都立図書館に行っても、館内のインターネット用PCでアマゾンを検索し、1枚25円のコピーをとるか、アマゾンで購入した方が安いかどうか判断、書店に行っても(私はiPhoneなどを持っていないので)、価格と題名をメモして帰って、自宅でAmazonはじめネット古書店で金額を確認、最後に近所のブックオフで確認し、最安値のものを購入、という習慣が根付いてきてしまいました。
 新刊が出ないと出版社と作家が追い詰められてしまうし、そもそも本ブログや、私がアマゾンレビューを書いてる目的は、マイナー本の流通を図って、良書の流通を図ることと同時に、例え10冊数万円程度でも著者と出版社の資金に寄与できれば、と思ってやっている筈なのですが、ひどい矛盾を感じています。
 ただ、もともと出版社志望だった私がIT業界に入った理由が、情報の流通の促進と、既存メディアからの自由化であることを考えれば、出版社や作家さんにも、より付加価値の高い情報とは何か、電子出版を通じて絶版書で収益を上げる、著作権切れの書で採算割れなものは、青空文庫や図書館に全面的に任す、海外在住日本人向け流通コストを下げる、図書館との競合を考え直す、など、様々な可能性があるものと思う次第です。

2014年、面白かった書籍と映画
2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10
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by zae06141 | 2010-12-30 16:07 | その他小説・映画関連 | Comments(0)

映画「ラングーンを越えて」

  という1988年ビルマ政変を描いた映画を見ました。この作品の存在自体知らなかったのですが、海賊版と民主化の関係を追った、「アジア海賊版文化」 という書籍を最近読み、そこで、ミャンマーの民主化と中国から流入する海賊版との関係が描かれていたことから、1988年のビルマの民主化運動と軍事政権による弾圧を描いた「ラングーンを越えて」を思わず見てしまったわけです。これまで人生で、ミャンマーについては、新聞記事程度の接触しかなかったので、この1週間の高ビルマ度生活はかなり珍しい感じ。それにしても、本書を読む限り、ミャンマーは言論統制国家とはいえ、ミャンマーの情報流通度は中国やイランや並と言えそう。海賊版は、「開発独裁型国家が経済離陸する過程で、外部の国との経済格差を突いて、一時的に繁殖する」というような傾向があるとのこと。昔の日本については知らなかったのですが、日本も例外ではなかったそうです。経済的に豊かになると、自然に退潮する傾向があるとのこと。中国も、昨年は、ウォルマートの安売り売り場で5元(約75円)程度で、海賊版DVDよりも安い価格で売られていたのはVCDだったのですが、今では同じ5元でDVDが売られるようになってきて、最早海賊版と値段が殆ど変わらないところにきています。違いと言えば、安売りDVDはまだ種類が少ないことと、海賊版はリージョンオールとなていることくらいでしょうか。そろそろ中国の沿岸部の大都市では、海賊版DVDを買う必要性は下がってきていて、寧ろ今は、タイトルの多さから、海賊版に流れている客が多い、という印象があります。

 ところで、先にミャンマーと比較に出した中国の情報流通度についてですが、先週ロンドン在住の知人から、「温家宝首相への靴投げ事件は報道されているのか」と質問されました。米国と違って経済関係がまだ大きくないからか、または過去の歴史的対立から英国のメディアは中国に厳しいような印象があります。昨年のオリンピックの開会式についての暴露をしたのも英国メディアですし。私の友人もすっかり中国嫌いになってます。英国人の英会話の先生も中国には先入観ありまくりで、情報統制されている旧共産諸国のような印象を持っていた模様。中国のメディアも、「英国がチベットの人権問題をあおるのは、もともと20世紀初頭にチベットを侵略しようとしていて、いまだにチベットを中国から分離させて自国の勢力圏に入れようとしているのだ」と言ったりしているので、どっちもどっちな気がします。このように、英国と中国は中良さそうではありませんが、靴投げ事件はちゃんと報道されていました。一応新聞にも載っていて、こちらの中国のネットサイトなどにビデオと記事があがっています(とはいえ、3日前とはURLが変わっているので、リンク切れになった場合は、「干扰事件 温家宝」で検索すると出てきます)

靴投げ事件というキーワードよりも、「干扰事件(扰は擾(騒乱、攪乱、妨害などの意味))」で報道されているので、ネットでもこのキーワードで検索すると出てきます。

 確かに中国は見れないサイトが多いし、報道規制が強いとは思いますが、私の感覚だと、生活していて、日本のメディアとあまり変わらない感じがしています。NHKでよくBBCの特集を報道していますが、日本で報道されない反米的な内容も多く、米国に近い筈の英国の国営放送がこんな内容報道するのか?と驚くことがよくありますが、それと比べると、日本の大新聞など、特徴のあるメディアは読売、朝日、日経だけで、あとはどれも同じ感じ。しかも海外報道となると、メディアはどこも米国のフィルターを通した似たような報道ばかりという印象があります。

 思うに、日本で生活していて、大新聞とNHKだけを見ているのであれば、最早中国で生活しているのとあまり変わらないのではないか、という気がします。日本の言論の自由と言われるのはどこにあるのかといえば、右よりの「諸君」「正論」とか左よりの「世界」とか、普通の人が読まないような論壇領域の話のような気がするのです。「諸君」や「世界」が無くても、困らない日本人が大半なのが実態ではないでしょうか。実態を良く知らず、無批判に英国を持ち上げているわけですが、「諸君」や「世界」が無いのが中国の言論、日本の言論の自由などその程度。英国などと比べると、日本と中国はさして大差無い、という印象があります。社会秩序維持の為に大手メディアと警察・政治は結託してそうなところも、程度の差はあれ、日本も中国も近い気がします。
 
 日本は豊かになり、政治雑誌など、私が学生の頃から流行らなくなっていました。私の周囲でも、「朝日ジャーナル」よりは「ポパイ」の人の方が確実に多かったと言えます。公式の場で発言が可能な日本と、それができない中国では、確かに言論の自由度に差があるとはいえ、豊かになってそうした雑誌を読む必要もなくなり、自由なのに投票に行かなくなり、日本は米国の用意した戦後民主体制があるからか、言論が制限されているとはいえ豊かになってきて、さほど不満も持たなくなってきている中国大都市部民衆と、とあまり変わらない社会となってきている気がします。つまり、こうしたところに、自由や民主よりも、秩序を優先させる傾向のある東アジアの国家の歴史的な体質という共通点について、考えてしまうわけです。

 さて、映画二話を戻しますと、88年9月の民主化運動の高まりと、その後の軍事政権による弾圧と虐殺が描かれています。私の記憶では、当時の弾圧状況は、一応海外にも報道されていたような記憶がありますが、この作品によると、ジャーナリストはじめ、ほとんどの外国人が締め出され、虐殺の実態は海外のメディアには届かなかったとされています。本作の宣伝文句は、「真実に基づくストーリ」となっていますが、事実に基づいているだけで、主人公が実在の人物というわけはなさそうです。こちらの映画評には、1988年以前から企画されていた内容で、主人公の女性はフィクションであると記載されています。虐殺の現場を描くために用意された登場人物ということで、真実なのは、当時のビルマの様子、ということなのでしょう。作品の分類としては、ポルポトによるカンボジア虐殺を描いた「キリングフィールド」に近そうです。

 本作はマレーシアで撮影されたとのこと。製作時マレーシアにミャンマ政府から圧力がかけられたとのこと。一方、作品のラストでは、主人公とビルマ人が、タイに逃げ込みます。まるでタイが、ナチスドイツに対するスイスのように見えてしまいました。よくよく考えると、東南アジアの中で、タイとマレーシアの安定性はぬきんでているような気がします(最近はベトナムも安定してきているけど)。

 ところで、本作を見ながら、1965年のインドネシアの政変を描いた「危険な年(The Year of Living Dangerously)」という作品を思い出しました。どちらも東南アジアの国の政変渦中を描いているところが共通しています。記憶では、社会人になってから見たような記憶があるのですが、1984年の日本公開となっているので、見たのは大学1年の時ということになりますが、大して良かった印象がありません。アマゾン評は結構好評。当時はきっと作品の良さがわからなかったのでしょうね。今見ると印象が変わるかも。

 途上国の政変前夜を描いた作品としては1973年のチリのクーデタを描いた「サンチャゴに雨が降る(特攻要塞都市)」というものがあります。今見てみたら、ブルガリアが製作に関わっているんですねぇ。。。

段々話が拡散してきてしまったので、最後に再度、ミャンマーの話で終わりたいと思います。
実は11日の祝日は、家にこもって「相棒 Session7」を、「亀山刑事最後の事件」まで(ネットで)見ていたのですが、亀山刑事が退職して、移住する先が、どうみてもバングラディッシュとビルマのあたりの架空の国家(どうみても、中南米かアフリカにしか見えませんでしたが)。こんなところでも、ミャンマーWeek な1週間でした。。。。

 ところで、すっかりファンになってしまいここ3ヶ月程で、セッション1から7まで、4/5程見てしまいましたが、どんどんシビアなドラマになってゆく展開に少し衝撃を受けたりしています。特にSession7の第一話で、「味方陣営」の筈の津川雅彦まで逮捕されたのは衝撃でした。と同時に、S6の最後からS7にかけての展開は、このドラマは、正義と正論を振りかざす杉下右京の破滅で幕を閉じる以外ありえないのではないか、とさえ思わされる進行ぶり。近代論理の成立と、近代推理小説と探偵の誕生は表裏一帯ですから、このポスト近代社会では、杉下右京のような筋の通ったタイプは、折られるしか無いという論理的必然さえ感じる初めてしまいました。クッション役だった亀山刑事がいなくなって、破滅までの足取りが早まるのではないかと懸念してしまいます。

というように、これまであまりテレビドラマを見たことが無かったからか、どんどん嵌って来てしまっているのでした。
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by zae06141 | 2009-02-14 05:09 | その他小説・映画関連 | Comments(0)