古代世界の午後雑記(移行中)


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
by Solaris1
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2012年今年読んだ書籍と観た映画ベスト10

 今回はジャンル別に並べて見ました。

1,オスマン帝国史の諸相(感想)、イスラーム都市研究(感想)、エジプトイスラーム都市アル・フスタート
2.サンスクリット(感想)、インドの曙 ヴェーダとウパニシャッド(感想
3.パフラヴィー語の文法と文学、ペルシア語の話(感想)、ペルシア文芸思潮(感想
4.中国語の歴史
5.インドの文学(感想)、サンスクリット文学史(感想)、フランス語の誕生(感想
6.中国建築史の研究トルコ・イスラム建築、Islamic Art and Architecture: From Isfahan to the Taj Mahal(感想
7.宰相ラークシャサの印章(感想
8.グローバル・ヒストリーの挑戦、グローバル・ヒストリーとは何か(感想)、経済史への招待
9.ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から

 今年は図説ふくろうの本、山川リブレット、ユーラシアリブレット、新書ばかり読んでる気がしましたが、それ以外の本は手応えのある書籍がおおく、例年だと役立った本(専門書などは興味のある部分だけしか読まないので、半分くらいしか読まない本が多い)が多数あるのですが、今年はそういう本が僅かしか無く、専門的な書籍は、数が少ないものの、上記にあげた本は全部読了しています。

 それにしても図説ふくろうの本、ここ2,3年狂ったようにたくさんでているように思えるのは気のせいでしょうか。河出書房新社のHPをみると、確かに2010年くらいから出版点数が急増しているような印象があるのですが、絶版となった書籍がHPに全て掲載されているのかどうか定かでは無いので、なんとも言えないのですが、印象ではここ数年の出版点数が激増している気がします。かつて中央公論社の「物語 世界の歴史」シリーズが結構好評だったことがあったかと思うのですが、「物語シリーズ」が頭打ちとなってきてしまい、読者の関心が「物語シリーズ」で描かれた地域への、視覚的段階へと向かったニーズを、図説ふくろうの本がうまく救い上げた、という気がします。ただふくろうの図説も、世界史については基本欧米なので、欧米以外の地域の図説シリーズも期待したいところです。

 冒頭に並べた書籍を見直してみると、大体、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史、史料」本が殆ど全部です。自身の歴史への興味の対象が、「語学史・文学史、建築史・遺跡、経済史・金融史、史料・映画」が中心であることを改めて認識した次第です。なぜこういうことになっているのかを考えてみるに、旅行に行った場合、その国に入国して最初に必要なものは、貨幣、簡単な言葉(挨拶、購買、など)の2つであり、入国して遭遇するものは、その国の視覚的な物体(建築物、風景)であるということが、「語学・文学」「建築・遺跡」「経済・金融」に対応しているように思えます。更に言えば、これらは、主観的な世界認識のあり方(言語・文学、風景(建築・遺跡)、映画、叙述的な世界認識)と、客観的な世界認識のあり方(経済・統計・データなど)に行き着き、多様な世界認識のあり方を知ることで、自身の先入観や価値観を耐えず相対化して視野を広げてゆき、現代世界とその行く末についての考えを深めることにあるのだと思った次第です。結局のところ、私の旅行や歴史への興味の大元には、現在世界とその未来へ思いを馳せる手段のなのだ、と思ったわけなのでした。

 今年は、言語・文学史本として、「韓国語の歴史」「朝鮮文学史」、「ベトナムの詩と歴史」も図書館で参照しました。分厚いのと出版が古すぎる(いずれも1975年以前)こともあり、一部を読んだだけですが、言語・文学史料・作品にどのようなものがあるのか概要を知ることができて参考になりました。「アラビア文学史」、オランダ語とオランダ文学史本の「オランダ語誌」、ゲルマン語の概説史(他書との差別化の為にゴート語や北欧語史の分量が多い)本である「ゲルマン語入門」は購入しただけで読んではいないのですが、来年読みたいと思っています。ふくろうの本でも、図説ベトナム史やタイ史をそろそろ出して欲しいと思う次第です。

9行目にあげている「ローマ期エジプトにおける地方名望家 ― 2世紀アルシノイテス州のパトロン家の事例から」は、書籍ではなく、45頁のpdfですが、こういう情報をずっと読みたいと思って探していたので、まさに念願の内容が読めて感激しています。 古代ローマ時代の「長期的平和な時代の地方の中堅層」の主観的意識や客観的なあり方(訴訟や経済活動など)について、私にとってど真ん中の論考及び史料翻訳でした。皇帝の主観的記述であれば、マルクス・アウレリウスの「自省録」があり、県知事クラスの役人の主観的記述であれば、「プリニウス書簡集」が邦訳でも出ていています(キケロやカエサルも著作を残していますが、特殊な時代の特殊な人々であり、更に世界史上でも図抜けた人々なので、彼らに比べればもっと平凡で平和な時代を生きた人々の主観世界に興味があるわけです)。しかし、プリニウスクラスよりも更に下の階層は、そもそも後世に残るような著作を残したりしない階層なので、史料がより少なく、なかなか意識を知ることができないのですが、本pdfでは、古代ローマの地方の、しかもローマとかアレキサンドリアなどの特殊な大都市ではなく、エジプトの地方都市の郊外で荘園を経営している一族の手紙の翻訳(p21以降45頁までが翻訳)が掲載されています。当時の一般の人々は、皇帝を実際には何と呼んでいたのだろう。日々のカレンダーはどのような言葉で認識していたのだろう、など日常生活の意識や認識に関する記載が色々登場しています。

 また、本論考の前半は、史料の分析を行っており、納税リスト(当時の地主層のランキングがわかる)や、文書の残る特定の年のある地主一家の収支決算、小作人との貸借関係や、州長官との距離感、アレキサンドリアのような総督所在大都市との関係、物価、農村部の貨幣経済、(ローマ政界に打って出るような人物を出すような特殊な家柄ではなく、あくまで地方で終わった一族の系譜の復元)など、社会史、数量経済史、地方行政史等かねがね知りたいと思っていた情報がふんだんに掲載されていて、この論考の存在を知ったのは午前零時を回り、寝る直前だったのですが、翌朝いつもより早めに出勤しなくてはいけなかったのにも関わらず、午前2時までかかって一気に全部読んでしまったのでした。ローマ時代は都市は遺跡がふんだんに残っているので景観はわかりやすいのですが、農村の景観はいまひとつイメージし難いものがあります。本論考は、ローマ時代の農村部の景観についても多くの情報を与えてくれました。自分の中では、ローマ時代への興味はこれで一区切りついてしまったようにさえ思える貴重な論考でした。こういう史料が帝政期のローマ全土について残っていてくれると嬉しいんですけれど。



 今年は映画はあまり見ませんでした(といっても50本くらいは見ているので、平年並に戻ったということです。昨年が異常でした)。一位の「カティンの森」は、昨年であれば、11位というところでしょうか。

1.カティンの森(1940年のカティンの森事件)
2.緑の火(3世紀から現在までのイラン)
3.「壮麗なる世紀」(16世紀トルコ)第63話の最後の4分半
4.テレサ-キリストの体(16世紀スペイン)
5.ゼノビア(3世紀ローマ)
6.プリンセス・エーボリ(16世紀スペイン)
7.神弓(17世紀朝鮮)
8.「フード・インク」と「いのちの食べ方 Our Daily Bread」(グローバリゼーション批判)

 最後の2本は、同じような傾向の作品なので同じ順位に並べました。聞き知ってはいたものの、食肉の製造がここまで機械化され、テニスボールのように鶏が製造されてゆく映像は衝撃でした。
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(この後、雛は壁一面の棚の「引き出し」に入れられるのだった)

 考えてみれば、子供の頃、実家の近所に養鶏場があり、孵った雛の雌雄をえり分けて、バスケットにポンポン放り込んでゆく作業や身動きできない棚に詰め込まれた成鶏を思い出すに、それが機械になっただけで、あまり変わらないわけですが、しかしまあ改めて、食事前に食肉・魚に限らず、野菜・果物含め、感謝する習慣が戻ってきました。キリスト教徒なわけではありませんが、日々の食事が他の生命の上に成り立っていることを忘れずにいたいと思います。

 ところで、ベスト10に入れたい程ではありませんが、今年他に印象に残った作品には以下のものがあります。

・プロメテウス
 エイリアン(1979年)のパクリ映像がよかった。前半「エイリアン」と同じようなカメラワークが何度も登場し、「最後までこれでいくのか、さんざんパクリ映像を入れておいて、どこかの時点でオリジナルに向かい、予想を裏切ってくれるのか」というような、ホラー映画(お約束と裏切りをうまく入れるのがミソ)を観るノリで楽しめました。

・トータル・リコール
 未来都市の映像に期待しましたが、期待外れ過ぎて反って印象に残ってしまいました。CGCGし過ぎで、80年代以前の未来都市絵画をそのまま映像化しただけな感じ。未来都市映像としては、「フィフス・エレメント」や「マイノリティ・レポート」と比べても新しさを感じなかったのが残念。

 とはいえ、この二本は、「エイリアン」「ブレードランナー」「トータル・リコール旧版」を見ていない若い世代にとっては、この三本を公開時に観た世代が公開当時に受けたのと同じようなインパクトを受けるかも知れません。

・Fetih 1453
 1453年オスマン帝国によるコンスタンティノープル陥落を扱った、恐らくトルコ今年最大のヒット作。
 予告編映像で予想したよりは良かったものの、やはりゲーム映像に見える部分も多く、CGで再現した末期コンスタンティノープルの宮殿が大きすぎ・きれい過ぎなど、感想を書いてて自分がわがまますぎるとは思うものの、もう少しリアリズムを追求した作品が将来的に登場して欲しいと思う次第です。

2014年、面白かった書籍と映画
2013年昨年読んだ書籍と観た映画ベスト10
2011年に読んだ本・見た映画ベスト10
2010年に読んだ本・見た映画ベスト10
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by zae06141 | 2012-12-31 16:07 | その他小説・映画関連 | Comments(0)
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