古代世界の午後雑記


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
by Solaris1
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『世界子どもの歴史 9 中国』の目次と概要

※トルコ歴史ドラマ『壮麗なる世紀』(邦題『オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~』)遂に日本語字幕で放映とのことです。第一シーズンを48話とのことですので、一話を二回に分けて放映するのでしょうか。第二シーズン以降は第一シーズンの反響を見極めてからの放映でしょうか。できれば、63話までやって欲しいと願います。報道関係者を集めたトルコ大使館後援のパーティをヒルズの51階でやるそうです(案内こちら)。※
※※ハインリヒ一世からオットー一世時代の史書『ザクセン人の事績』入手。10年ほど前ハインツ・トーマス著『中世の-ドイツ-カール大帝からルターまで』を読んだ時に、神聖ローマ初代皇帝オットー一世時代の史書である本書を知って以来、ずっと読みたいと思っていた本です。英訳さえなさそうだったので、まさか邦訳が出るとは思いませんでした。感激しています※※

 最近、女性と子供の歴史に興味がでています。
 以前から古代ローマの学校の実態に興味がありました。結構な数のローマ遺跡を訪問してきましたが、学校遺跡は見たことがなかったので、特に教室の様子に興味がありました。『カイウスはばかだ』(岩波少年文庫-ヘンリー・ウィンターフェルト著)という少年たちが主役の児童小説を読み、学校の様子や授業がかなり具体的に描写されていたため、史料出典をずっと知りたいと考えていたのですが、昨年アンリ・イレーネ・マルー『古代教育文化史』で、古代文献に断片的に登場する記述を丹念に紹介しているのを知り、ようやく望むものを見つけることができました(実はまだほとんど読んでないのですが、、、、)。マルー本は、学校と教育に特化していて分厚いこともあり、準備段階として取り合えず『世界子どもの歴史〈2〉古代ギリシア・ローマ (1984年/第一法規)』(紹介はこちら)を読んでみたところ、古代ローマのパートが役にたったので、例によって他の地域はどうだろうかと、同シリーズの中国とアジアを読んでみた次第です。ローマ編と比べるといまいちな内容で、アマゾンでレビューを書いて紹介するほどのお奨め本でもない、ということで、目次と簡単な概要をこちらで紹介することにしました。



世界子どもの歴史9 中国』(第一法規,1985年)
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I.旧中国における子ども(加地伸行)
1.子どもの位置(2)
2.父・子と母・子と(14)
3.兄弟姉妹(25)
4.教育(34)
5.子供像ノート(55)
6.遊び(66)

II.宗教的社会ー殷時代における子どもー(笠川直樹)
1.子どもの生と再生(80)
2.文字に現れた通過儀礼(87)

III.中国の宗教ならびに習俗における子ども(平木康平)
1.子授けの神々と親たちの祈り(102)
2.子どもたちの守護神と通過儀礼(112)
3.年中行事と子どもたち(123)

IV.近代中国における子ども
1.近代化と中国の近代(138)
2.清朝末期の家族と子ども(141)
3.清末の教育改革と子ども(151)
4.中華民国時代の子ども(161)

V.現代中国における子ども(岩佐昌暲)
1.搾取と抑圧のもとの子ども(174)
2.動乱のなかでー解放区の子ども(183)
3.社会主義時代の子ども(191)

VI.台湾における子ども(加地伸行)
1.清朝時代から日本の殖民地時代へ(208)
2.第二次大戦以後(217)
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 冒頭は、家族関係の話で「孝」という親中心の概念、伝統中国に特徴的な兄弟の平等性、教育(千字文、大学、中庸という他書でもよく出てくる話)などです。「子供像ノート」は、史書に残る偉人の幼年時代という具体的な事例ですが、”子供一般”の記述は史書にほとんどないがゆえに、偉人の幼年時代の紹介にならざるを得なかった、という章です。ここまでは中国文化史の本でもよく出ててきそうな内容ですが、「遊び」の章は若干面白く読めました。綱引き、ブランコ、凧揚げ、メンコ、竹馬などの遊びが紹介され、わずかではあるものの、どの時代から流行しだしたのか、などが記載されていて参考になりました。

第二章は殷代の子供について。遺跡から出土した2,3歳と考えられる幼児の殉死(殷墟洹南地区四盤村、侯家荘小屯)や、甲骨文に記載された王族の出生祈願、通過儀礼、祓霊などが記載されています。これはこれで興味深いものがありますが、甲骨文自体が王族に限られるものであり、子供に関する占いの内容は古今東西あまり大差ないようなものなので、読んだ直後に直ぐ忘れ、読み直しても直ぐ忘れるような内容でした。

第三章は、民間信仰とそこにおける通過儀礼、祝日などの話。民間信仰ですから、道教成分があがります。祝日の話は3/3,5/5,7/7,9/9日など、現代の日本にも影響している内容ですが、読み進めているうちに、子供から離れて普通に伝統中国の民間信仰や祭日について読んでいる気がしてきます。

第四章以下の三章は、歴史的展開を追う記述となっています。近代中国(清末)の子供実情、近代教育制度の構想、民国時代の児童労働、共産党による組織化、清朝時代・日本統治時代の台湾と戦後台湾など、ここは史的展開が記載されていて読むのが楽でした。


 このシリーズは、最初に読んだ古代ギリシア・ローマ編のローマのパートが役立ったので、他に類書が見つからないこともあり、中国とアジア編を読んでみたものです。まだ他書は目を通していないのですが、恐らく、このシリーズは、20世紀の日欧米で出版される世界歴史シリーズ(もしかしたら21世紀の今も)にありがちな構成となっているのではないかと思います。それは、欧米については、エジプト/メソポタミア・ギリシア/ローマ・中世・ルネサンス・近代 という史的展開に沿ってそれぞれ巻が割り当てられる構成である一方、他の地域は、地域毎に1冊で扱われるため、その地域での史的展開が詳述されるのではなく、その地域の文化紹介がメインで記載される、というものです。

 こうした巻構成は、欧米以外の地域については、地域伝統文化の特徴の紹介が主で、”歴史”は、その伝統文化の由来の説明として登場する、というような内容に陥りがちです。本書と、次回ご紹介するアジア編はほぼこれの典型です。近代以降は史的記述がなされていますが、近代以前は全部一括して、”伝統文化の描写”というイメージを受けます。儒教道教や中庸大学、ヒンドゥー教が既定するインド社会など、インドや中国の文化を既定してきた、あるいはよく登場する主要要素についての基本的知識がある方であれば今更必要のない解説が多く、”そんなところはいいから、もっと子供に関する史料とその分析に注力して欲しい”と思うような内容です。
 そもそも史料が少ないとか、研究が進んでいない、という地域や時代もあるのは理解できますが、私がここで指摘したいのは、本書に感じられる次のような視点です(以下の文章の文言は、私が勝手に想定したもので、本シリーズにこのような記述があるわけではありません)。

-欧米出身或いは欧米に留学した旧植民地国出身の国連の児童機関(ユニセフなど)の職員が、ある時、日本や第三世界の児童問題を手がけることになり、地域の子供事情や歴史を学ぼうとしたところ、前提となる儒教やヒンドゥー教の知識など、その地域固有の伝統文化知識がないと、児童の置かれている社会状況がまったく理解できず対応を誤ることがある。本シリーズは、そういう人の為の一冊でわかるエリアスタディーズです-

 本シリーズは1984-5年の出版なので、当時の研究の進展状況では致し方ない部分もあるかと思いますし、著者によってスタンスが異なるものの、本シリーズの欧米以外の巻については、”その地域の子供の歴史”ではなく、”その地域の現代社会の子供の状況を理解するための伝統文化の解説本”だと思って読めば、そんなにストレスは溜まらないかも知れません。

 あともうひとつ本書(ギリシア・ローマ/中国/アジア)を読んでいて思ったのは、子供の歴史と家族史の分離が難しいことと、子供でも男性と女性では大きくことなるため、女性史の範疇に入る部分も多く、更には親子関係ということで”両親に対する子供”という意味で記述が親(老年)-子(成年)に関するものも多く、対象範囲が広い一方、記述がぶれ易い分野でもあることが理解できました。

 日本語書籍では類書があまりないようなので、貴重なシリーズだとは思いますが、次回、子供の歴史というテーマで欧米以外の地域の書籍が出版される時は、冒頭で伝統文化の基礎知識の本を紹介し、まずそれを読んでから当該書籍を読むようなスタイルにして欲しいと願う次第です。

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by zae06141 | 2017-06-03 00:10 | その他歴史関係 | Comments(0)
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