古代世界の午後雑記


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
by Solaris1
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最近見つけた書籍の話など

久しぶりに池袋ジュンク堂書店にいってきました。
2-3年前の出版であるにも関わらず、いままで出版されていたことを知らなかった書籍を多数見つけました。新宿ジュンク堂書店が閉店してからは、ブックファーストや紀伊国屋本店にいくことが多くなりました。その頃の紀伊国屋本店は、書籍の扱い方が雑な印象があり、あまり行かないようにしていました。しかし、しばらくすると紀伊国屋本店は大幅に改善しました。これは私の推測ですが、新宿ジュンク堂書店の店員の一部が、紀伊国屋書店に流れたのではないかと見ています。大きさの上では1000坪のジュンク堂新宿店より、ブックファースト(1090坪)や、紀伊国屋本店(1434坪)書店の方が広いのですが、本の種類は、ジュンク堂新宿店の方が圧倒的に多い印象がありました。やっぱりジュンク堂が好きなので、ここ2-3年は、丸の内オアゾ店にいくようになっていました。オアゾ店は、交通機関的に出やすいのと、駅上にあるので行き易いためです。池袋店は駅から少し歩くのも面倒です。雨が降っていると更に避けたくなります。






私はずっと、丸の内オアゾ店の方が、池袋店よりも大きいのだと思っていました。しかし、丸の内オアゾ店で見つからない書籍がたまに出てきて、ほとんど1年に一度しか行かない池袋店で、発売日前に店頭に並んでいる書籍を何度もみかけたことから、オアゾは、立地上ベストセラー書籍や新書・ビジネス書に比重があり、少なくとも世界史関連書籍は、池袋店の方が種類が多いのではないか、と薄々思っておりましたが、今回確信に近くなりました。調べてみると、池袋店は2000坪で、オアゾ店の1734坪を上回っていることもわかりました。

まず見つけたのが、現在絶版でアマゾンで14800円する
古代地中海世界のダイナミズム―空間・ネットワーク・文化の交錯』桜井万里子編
が7560円で出ていました。さすがはジュンク堂。

イラクのキリスト教』スハ・ラッサム(キリスト教新聞社)
 第二章・第三章でパルティア・ササン朝時代のイラクにおけるキリスト教が扱われていて、結構レアな情報が多く見られます。 第四章 は「七世紀から十六世紀まで」で、ここまでで全体の2/5くらいあります。この手の書籍では、16世紀以前は1/4以下、あとは近現代、という書籍が多いので、本書は結構有用に思えましたが、古代イラクのキリスト教のようなレアな情報は、史料出典も重要なので、この点、本書はそうした点を解明する学術書ではないことと、「キリスト教新聞社」という出版社の名前に、少し宗教的バイアスが多い書籍かも知れないと思ってしまい、取り合えず購入はしませんでした(「キリスト教新聞社」について今回初めて知りましたので、原著の書評含め、少し調べてから、購入するかどうかを決めたいと思います)。

伊藤義教の『ゾロアスター研究-岩波オンデマンドブックス』11000円。
これは、オンデマンド版なので、受注した個人に直接製本配送される本ですが、店頭に並んでました。さすがジュンク堂。

現在中古が92000円ででている『エジプトイスラーム都市アル-フスタート-1980年-中近東文化センター研究会報告』は128頁の報告書で、この元となった調査の発掘報告書が、早稲田大学出版部から

エジプト・イスラーム都市アル=フスタート遺跡桜井清彦・川床睦夫編

として6万円で出ていて(全1242頁)、これがジュンク堂に置いてありました。今まで大きすぎて目に入っていなかったようです。ジュンク堂池袋店、凄すぎます(この発掘報告に関するデータベースがネットで公開されています(こちら))。ファーティマ朝時代の都フスタート遺跡の発掘です。


新刊で面白そうな書籍には以下のものがありました。


鳥瞰図で見る古代都市の世界-歴史・建築・文化』、ジャン-クロード-ゴルヴァン著、原書房。メインはローマ帝国です。各主要属州がまんべんなく扱われています。


ヴァイキングの歴史』(創元世界史ライブラリー)熊野聰著

帯に北欧ヴァイキングを扱った漫画『ヴィンランド・サガ』が登場しているように、『ヴィンランド・サガ』の人気にあてこんだ企画臭が強いのですが、ざっとめくってみたところでは、コスト・パフォーマンスが高そうです。この手のあやかり企画では、ページの余白が目立ち、内容が薄くて高価格という印象があるのですが、本書は部数がはけると見たのか、ぎっしり書かれていて価格も抑え気味です。巻末の文献解題も、入門者には丁度良いのではないでしょうか。著者は1940年生まれの、増田四郎門下の日本のヴァイキング学の大御所で、文献解題を担当された小澤実氏は1974年生まれの現在第一線の若手なので内容は相当充実していそうです。ヴァイキングにあまり興味はないので取り合えずスルーしましたが、コストパフォーマンスを考えれば、これは買っとくべきかと思っています。


ルーン文字の起源

1月に出た本です。これも一部のヴァイキグブーム便乗本のひとつかも知れません。著者の河崎 靖氏はゲルマン語学者で、『オランダ語誌』(現代書館)とか、『ゲルマン語学への招待』など面白そうな書籍を書いている方で、本書も興味深いのですが、実質100頁もないのに価格が3000円を越えるのはあんまりではないかと思います。1500円なら買いです。


4月くらいに発売予定の立教大学史学会の『史苑』77号に、ビザンツのコンスタンティノス七世『帝国統治論』の古代ルーシ関連部分の邦訳が掲載されるとのことです。ルーシ誌の邦訳は、既に1965年から83年にわたり、『古代ロシア研究』の6,7,9,15号に掲載されていているので、今回の訳の意義について詳細を知りたいところです。


中世シチリア王国の研究-異文化が交差する地中海世界』(2015年)高山博

東京大学出版会から全480頁。

中世地中海世界とシチリア王国』(1993年)高山博

東京大学出版会から全541頁。前者は20年間の研究成果をまとめた書籍で、その間の研究成果が盛り込まれている点が重要なのだと思われますが、ぱっと見違いがよくわかりませんでした。前者は出版後2年もたっていないのに、現在中古が定価の2/3、後者と前者の中古本の価格差は30%程度なので、新刊書の書評をじっくり読んでから購入を検討したいと考えています(内容が大して変わらないので、中古本の価格が接近してきているのではないか?という疑念を感じています)。同じ著者の『神秘の中世王国-ヨーロッパ-ビザンツ-イスラム文化の十字路-中東イスラム世界』(1995年)は、レビューにあるとおり、確かに中途半端な書籍ですが、第三章の中世ラテン語碑文の解読方法を懇切丁寧に解説した章は大変参考になりました(単にアルファベットが読めても識字率とはあまり関係がないのだ、ということがよくわかりました)。通史本としては、新書の『中世シチリア王国』(講談社現代新書)が遥かにお奨めですし、専門書であれば、上掲東大出版会の書籍の方がお奨めで、『神秘の中世王国』は中途半端な感じです(シチリア研究を巡る著者のエッセイに近い書籍です)。しかし、現在古書が150円で出ており、この価格であれば、第三章41頁だけのために購入する価値はあると思います。


 どうでもいい話ですが、最近アマゾンで中古を購入すると、その後出品されている中古本が更に下落する、というパターンが続いています。『神秘の中世王国』も300円で購入したところ、現在150円です。アマゾンの価格設定は、基本的に出品者の管理ソフトで自動化されている筈で、普通に考えると、購入者が出る→ニーズがある→少し上乗せする、というロジックとなっていそうに思えるのですが、下落するロジックがわからないので、この点興味があるところです。


イスラムと音楽-〜イスラムは音楽を忌避しているのか』新井裕子(2015年)

これは現代イスラムにおける音楽の話ではなく、中世における音楽の話でした。152頁で2700円は少々高い感じでしたが、レアな内容なのでそのうち買ってしまうかも知れません。


岩波文庫15世紀のカタルーニャ騎士道文学『ティラン・ロ・ブラン』文庫版。2007年に16000円でハードカヴァーででた本が5000円程度で入手できるようになったのは嬉しい限りです。もしかしたら一生来ないかも知れない老後枠にいれました。


最近19世紀スペイン内戦を扱った『カルリスタ戦争』を読みました。あまりに誤字脱字が酷いので思わず長文のレビューを書いてしまいましたが、あまりに酷すぎて次は何がくるのか、とかえって面白くてするすると読めてしまいましたが、こういう斜め方向からの楽しみ方をとらず、純粋に知識を必要としている方は、基本的に山川出版社の世界史体系の『スペイン史第二巻』のカルリスタ戦争の記述を読めば十分だと思います。



ところで、先週金曜日の午後、私にしては珍しく事前に情報を入手できたので、オリエント文化会館で開催されていた文部科学省科学研究費新学術領域の『現代文明の基層としての古代西アジア文明』のシンポジウム『西アジア文明学の創出2: 古代西アジア文明が現代に伝えること』の午後のセッションを聴講してきました。私が聴講したのは、3/3のセッション2だけなのですが(以下)


亀谷学氏「中世イスラーム世界における複数の古代とその統合」
谷口陽子氏「イスラームの国々でプレ・イスラームの遺跡をまもること」
柴田大輔氏「西アジアにおける政教問題の系譜」
中町信孝氏「セッション2に対するコメント」

守川知子氏「世界史・イスラーム史のなかの古代西アジア文明」


まず思ったのは、


KAKENのフィードバックってやるもんなんだ!ならばぜひ、


ラヴェンナ総督設置後のビザンツ帝国のイタリア支配と新興有力層の形成」もやって欲しい!


ということでしたが(最近7-10世紀のイタリア半島史に興味があるので)、検索したところ、後者の予算は90万で1994年という昔の話(しかも『文化史学』に論説が掲載されていることがわかりました)、前者の予算は3億4千950万円(出典)でした。これだけの内容を無料で一般人参加可能の講義でやってくれて、当日配られた全68頁カラーの講義概要紹介パンフレット(予稿集)も、7-800円してもおかしくないような内容で驚きましたが、予算を知って納得した次第です。


これだけ充実した内容であるのなら、3/3日の午前と3/4日も聴講すればよかったかも。人文系でこの規模の予算はそうそうないだろうと思われるので、貴重な講演会だったのではないか、と少々後悔しています。予算をかけていることもあって、結構ネット上に資料が公開されています(こちらにサイトがあり、出版物のコーナーではニューズレターが閲覧できるようになっています)。当日机縦10列・横4列、ひとつの机あたり3つ椅子が置かれていて、だいたい2人が座っているようだったので、80名くらい参加されていたのではないかと思います(後ろの壁際にも椅子があり、数名着座していたので、合計80名を越えていたかも知れない)。


いづれも熱意がびしびしと伝わってくる充実した内容でしたが、特に柴田大輔氏は、当初の題目「西アジアにおける政教問題の系譜」をどうやらその場で変更したようで、近代西アジア学の誕生過程に遡り、古代西アジア研究と中世以降のイスラーム研究の断絶という重要な問題を手際よく扱っていてひときわ印象に残りました。丁度最近、オリエント史学史に興味をもっていて(もっているだけで調べ始めているわけではない段階)、バベル・ビーベル論争や、20世紀の大家、ジャン・ボテロウィリアム・ハローの問題点などタイムリーな内容が多くラッキーでした。


 4氏の講演内容はびっしりメモをとったので、その多彩な内容を端的にまとめて記載している時間はないのですが、私にとってもっともインパクトのあったのは、守川知子氏のこのひとことです。

       ”ササン朝は中世です!!!”


正確には、”ササン朝は中世にいれるべきだと思っています”というような文言だったと思いますが、大意は同じです。ササン朝は、古代史が中世に突き出した盲腸というか、つけたしのような扱いであるのが現実で、西アジア古代学と中世イスラーム世界学双方からマージナルな扱いをされているので、(イラン人にはどうやら当面期待できそうもない現状を鑑みれば)従来とは異なった分類をすることで、なにか新しいものが開拓されるとしたら嬉しいかも、と思いました。


最後。話は戻りますが、7-10世紀を中心とるする中世前期のイタリア史をご研究されている竹部隆昌氏には、いつかぜひご研究をまとめられた大著を出して欲しいと願う次第です。長崎県立大学のシラバスを見ると担当授業が多すぎてあと10年くらいそんな時間は取れないかも知れませんが・・・(とりあえず近いうちに論文全部コピーする予定)。


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by zae06141 | 2017-03-06 00:45 | その他歴史関係 | Comments(0)
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