古代世界の午後雑記


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
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村川 堅太郎著『羅馬大土地所有制』 の目次

村川 堅太郎(1907-1991年)著『羅馬大土地所有制』(1949年、日本評論社、社会構成史大系第二巻として発売)の目次がネット上になさそうなので、掲載します。

この書籍は現在絶版ですが、『村川堅太郎古代史論集〈3〉古典古代の社会と経済』(岩波書店、1987年)に収録されており、古代史論集の方は、定価6700円と高価ですが、古書は廉価で入手できます。第一部は八編の論文、第二部が「羅馬大土地所有制」です。以下『羅馬大土地所有制』の目次です。

第二部『羅馬大土地所有制』(181)
 第一篇 イタリアにおける大土地所有(183)
  一 序説(183)
  二 学説史的回顧と概念規定(197)
  三 ローマ農業論の記述(210)
  四 直営地の経営(221)
  五 小作制(241)
  六 大土地所有者の実例 -プリニウス書簡の研究-(254)
  七 社会構成上における大土地所有の位置(266)
  八 むすび(278)

 第二篇 属州における大土地所有(281)
  序(281)
  一 属州アフリカの皇帝領(283)
  二 その他の属州(308)
  附録一 シシリーにおける土地賃貸者(315)
  附録二 小作制についての史料(325)

日本評論者版は全150頁の薄い本です。本書は紙幅147頁にそのまま再録しています。1949年刊の『羅馬大土地所有制』は、「羅馬」と「ローマ」が混在しているものの、「羅馬」以外は基本カタカナが利用されていて読みやすく、1987年の論集では、タイトル以外は全部カタカナに修正されているので更に読みやすくなっています。
 まだ考古学の知見が文献史学に導入される以前の、古典文献史学の範囲内の研究ですが、その範囲をまとめた研究という前提ならば今もって基本文献を用いた入門書として有用な基礎研究といえるのではないかとの印象を持ちました。

 第二篇の第二章はガリアの農業を扱っていて、当時知られた文献史料で出来る限り各地の特徴を描き出そうとしています。プリニウスの書簡がイタリア半島の史料として活用されており、新保良明氏『古代ローマの帝国官僚と行政-小さな政府と都市』(2016年、ミネルヴァ書房)と並んで、退屈で一部流し読みしていた『プリニウス書簡集』を面白く読めそうな気にさせられる書籍でした。『プリニウス書簡集』、近いうちに完読したいと思うようになりました。

 論集のあとがきで『羅馬大土地所有制』について述べている箇所が面白かったです。

 「幸か不幸かこの問題に関する拙稿は、このソ連・東欧諸国を含めてのヨーロッパでの社会経済史の大隆盛、尽くることなき甲論乙駁より前に戦前の乏しい文献をたよりに、いとも無邪気に書かれたものであった。いわば石器時代の遺物のごとく、磨きをかけてもどうにもならないし、磨くためには無限の労力を要する」(332頁)

その後の出土金石文や考古学発掘で、村川氏が本書で描いた結論は修正されているのかも知れません。しかし、氏の以下の方針は、現在でも有用な姿勢だと思う次第です。

「ローマ帝国の広さを忘れて、一口に「ローマのラティフンディウム」を云々することはまったく無意味である(中略)本編は遺憾ながら二世紀頃までと時代を限定せざるを得なかった。(中略)本来ならばイタリアの何倍かの紙幅を要すべき属州の記述をあたかも附録の如くに扱わざるを得なかったことを読者にお詫びする」(p280)

※帝政前期エジプトの土地所有制については一橋論叢1951年6月号掲載の渡辺金一論説『USIAKOI MISTHOTAIについて : 羅馬帝制期に於ける属州埃及所在皇帝御料地(usiai)経営の一側面』があり、ヒスパニアについては、馬場典明「3-4世紀のバエティカにおける果樹栽培ウィラの構造的変化 」(『史学論叢』(別府大)30 2000年)、小アジアについては、坂口 明 「2世紀~3世紀前半における小アジア皇帝領の農民 」(『西洋古典学研究』36 1988年)、同「 小アジアにおけるローマ皇帝領の管理組織 」(『研究紀要』(日大・人文研)37 1989年)、シリアについては、渡辺金一「ローマ領シリアにおけるオリーヴ・プランテーション村落の興廃」(中世ローマ帝国―世界史を見直す (岩波新書 黄版 124)、1980年)などがあり、いろいろ集めると、日本語文献だけでもローマ帝国全領土の農業や土地所有の様子の情報があるていど集まりそうです。

※※なお、本論文集に掲載されている六章は、『エリュトゥラー海案内記(中公文庫)』にも収録されています。

六章『「エリュトラ海案内記」に見えたる紀元一世紀の南海貿易』
 一 エリュトラ海案内記
 二 ローマ「帝政期」初期における南海貿易の進展
 三 案内記の記述範囲と作者の航跡
 四 各輸出入品。貿易品の概観
 五 貿易の形態についての一、二の考察
 六 結語

以上の内容は、『エリュトラ海案内記(中公文庫)』では序章に収録されていますが、一部文庫版だけにしかない節もあります(以下文庫版の序説の目次)。

序説
 一 エリュトラ海案内記
 二 校訂本並びに訳注書(上記六章では収録されていない)
 三 本書の作者と成立年代 (上記六章では第一節の後半となっている)
 四 ローマ「帝政期」初期における南海貿易の進展
 五 案内記の記述範囲と作者の航跡
 六 各輸出入品。貿易品の概観
 七 貿易の形態についての一、二の考察
 八 結語


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by zae06141 | 2017-02-25 00:05 | 古代ローマ・ビザンツ関係 | Comments(0)
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