古代世界の午後雑記


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
by Solaris1
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最近(2016年末-2017年冬頃)読んだ古代ローマ関連書籍(2)

前回の続きです。

6)『アグリコラ・ゲルマニア』

「彼らは破壊と、殺戮と、略奪を偽って『支配』と呼び、荒涼たる世界を作り上げたとき、それをごまかして『平和』と名づける」

あちこちで引用されているタキトゥス『アグリコラ』の有名な一節ですが、高校時代に出会って以来、いづれは全文を読みたいと思いつつなかなか機会がないまま今に至っていたのですが、最近のベストセラー『サピンス全史(上)』(p239)に引用されていたことがきっかけで、読むことにしました。




『ゲルマニア』は学生時代に読んだ記憶があったものの、読書リストに記載がなく、購入していた筈の岩波文庫版もなくなってしまっていたので、丁度いいから再購入しようかと検索したところ、ちくま書房の文庫版が2600円、両書が収録されている『世界古典文学全集 第22巻 タキトゥス』が3200円もするので、結局図書館で『世界古典文学全集』からアグリコラとゲルマニア(計60頁くらいです)をコピーして読みました。 消費しなくちゃと前回いっていることと全然違い、コピー代しか消費に貢献しませんでしたが、さすがに『アグリコラ・ゲルマニア』だけで送料含めて2860円は出せませんでした、、、、(なお、ちくま文庫版の『アグリコラ・ゲルマニア』を全頁コピーすると著作権違反ですが、『世界古典文学全集 第22巻』からなら、著作権の範囲内で済みます)。

国原吉之助氏の解説に、数に対する修辞を批判している部分がありました。「誇張された語は、たびたび真実をまげます。それは、数を表現している場合、とくに明瞭です。たとえば、「絶え間ない死」(年代記6巻29節)、「無数の虐殺体」(同6巻19節)などです」(p391)。これは私の感覚と近いのではないかと思いました。タキトゥスは文学作品なのであって、歴史学著作でも、18世紀のギボンくらいまでなら許容範囲ですが、19世紀以降の著作において、こうした文学的修辞が登場する著作は、「文学」である、と思います。ただ、私は「真実」という言葉は使いたくないので、私の場合、「誇張された語は、たびたび事実をまげます」という感じでしょうか(そうして「事実」がどのように観測され、近づきえるものなのか、という議論に展開するわけですが、、、)。

あと、国原氏は、『ゲルマニア』において、タキトゥスが地球平面説を採っている、と解釈している部分は収穫でした。ほぼ同時代の大プリニウスが球体説を明確に述べているのと対照的です。

7)ガーイウス法学提要

新保本を読みながら検索していたところ、二世紀の書籍である『ガーイウス法学提要』の新訳(2004年)があることを発見したものの絶版かつ古書が流通していないことがわかり、更に検索したところ、早稲田大学のリポジトリで全文公開されている(こちら)ことを知りました。私が学生時代の古代ローマ史の講義は、基本的にまだ法制史でした。この法律書は当時レポートを書くために旧訳の一部を参照したことがあるのですが、いつかは全部読みたいと考えていた書籍です。これを読んでいるといつまでたっても新保本が完読できそうもないので、全部で10のPDFのうち、読んだのは最初の2つのPDFだけですが、30年前からいずれは全部読みたいと思っていた書籍が(まださわりだけですが)読めて感激です。本書1つめのPDFに奴隷解放の法律に言及されていて、昨年読んだ『奴隷のしつけ方』の奴隷解放に関する記載と同じ内容(出典には書かれていませんでしたが)ということで、頭に入りやすいものがありました。というか、『奴隷にしつけ方』を読んだあとで本書を読むと、マルクス・シドニウス・ファルクスが語っているような感じになり、法律を語りながらローマ社会を活写するという、一人称小説にも読め、意外にお奨めです。


8)桜井万里子・橋場弦『古代オリンピック』(2004年)

目当ては最後の方に20頁程しか記載のない帝政時代のオリンピックだったのですが、新書でもあることから、ギリシア時代含めて読みました。2世紀末のエジプトパピルス史料に東方ギリシア圏+ローマ市の運動競技団体組織について記載されているのには興味を惹かれました(本書に記載のある、「帝国全土の組織」というのは言い過ぎかも知れません。ローマが支配する以前の西地中海沿岸はギリシア圏でしたので、この地域に組織があるのはありえたとしても、イベリア半島やガリアの内陸部にあったかどうか。。。とはいえ一応調べてみたいとは思います)。エジプト・パピルス文書というと、帝政後期のコロヌス化史料という印象が強かったのですが、そのうち、古代ローマのエジプト・パピルス文書の全貌を紹介した書籍などを読んでみたいと思うようになりました(確か英語本であったはず)。あと、ローマ時代の運動競技に関する単著についても探してみたいと思います。運動競技の本を読む時には、長田龍太著『古代の格闘技』や漫画の『セスタス』も読めるようになるかも知れません(以前第一巻を読んで挫折しています。理由は漫画の面白さとは関係なく、個人的に格闘技が好きではない、という理由です。映画の剣闘士ものも苦手なのです)。


というわけで、古代末期への興味が強まってきたと思っていたら、二世紀ローマへの興味も戻ってきてしまっている感じです。基準になる時代はいつでもいいのですが、一度それを軸と決めて深く知らないことには、その後の時代に関する著作を読んでも、何が変化しているのか判断し難い、という感覚があり、私の場合、その軸が二世紀ということのようです。まずは二世紀の軸で四、六、七世紀のローマ世界(と中世初期旧領土)について知見を増やしたい、という感じです。昨年出版された、中西恭子氏の『ユリアヌスの信仰世界』、南雲泰輔氏『ローマ帝国の東西分裂』や田中創氏訳『リバニオス書簡集』が読めるようになるのはまだ先のことになりそうですが、今年アンミアヌス・マルケリヌスの翻訳が出る(『ローマ帝政の歴史1 ──ユリアヌス登場』 山沢孝至 訳 )*1とのことなので、その頃には『ユリアヌスの信仰世界』や『リバニオス書簡集』を読めるようになるかも知れません。さすがにカッシウス・ディオやシュンマクスの邦訳は出ないだろうとは思いますが、なんだか期待してしまいます。

*1 【塩野七生著『ローマ人の物語 14 キリストの勝利』p206に、「ローマ側の死者は75人、ペルシア側は2万5千人の死者」、とある記載がどのように訳されるか楽しみです。私が調べた限りでは、原文(24巻6-15)では、ペルシア側の損害は2500人、ローマ側は70人となっています(この件に関する詳細はこちら)】

 それにしても、日本語でここまで帝政ローマ文献や研究書が読めるようになるとは、学生時代は予想もしていませんでした。ここまで読めるのだからそれに感謝して、1500頁あるJones『The Later Roman Empire 284-602』くらい英語で我慢して読まねば!という気にはなってきています(取り合えず6.75ポンドという格安下巻、届きました。図書館落ちでした)。


9)多分でないだろうけど、あって欲しいと夢想する遺跡本

これは読書録ではなく、個人的にあって欲しいと最近夢想している本の話です。

帝政ローマの主要各地それぞれについて、100箇所づつくらい、遺跡それぞれを3頁づつくらいで解説した本(英語版)。どのような史料や調査結果にもとづいて、都市の成立から衰亡が決定されているのか、遺跡履歴の概要、平面図などが記載された総合解説便覧です。主要各地とは、現在の英国、フランス、イベリア半島、イタリア、北アフリカ、リビア+エジプト、シリア、トルコ、バルカン半島、ベネルクス+ドイツ+オーストリア+ハンガリー+ルーマニアの10箇所で、合計1000箇所、合計3000-4000頁くらいの書籍です。
 15年程前、ペルセウス・プロジェクトで、各国の遺跡を検索した時(その結果はサイトのこちらのページに掲載しています)、約2500箇所の遺跡があることがわかりました。しかし、ブルガリア在住中、このリストにない遺跡もいくつか訪問しており、この経験からすると、他の地域でも同様に、リストにない遺跡は結構ありそうで、全地域での実数は2500を遥かに越えるのではないかと推測しています。
 
 20世紀終盤から、考古学の成果が文献史学と合流するようになり、今やその方法は確立しつつあるように見えますが、考古学の成果は、一部には調査が杜撰だったり、年代決定を文献史料に頼り、科学的測定方法でやりなおせば修正される可能性があるものがあったり、年代測定技術の進歩や新史料の発見により年代を見直す必要があるもの、予算の関係から、数十年計画で少しづつ調査している遺跡、詳細な調査史料が現地語だけしかない遺跡も数多いため、全体像をつかむのは非常に困難な状況です。前傾のプロソポグラフィー史料集成や碑文集成同様、遺跡集成というものも登場していいように思えるわけです。私がペルセウスを検索したのは15年以上前なので、今はそうしたデータベースが完備されつつあるのかも知れませんので、この点、現状を調査してみたいと思います。しかし、研究者の書籍では、遺跡に関する情報は、その地域を特に研究している調査者の論文に掲載されていて、遺跡集成みたいなものがある、という記載が出てこないので、やはりまだないような気もします。


最近の自分の読書方向を整理する日記として書いてみたわけですが、随分長い内容となってしまいました。しかし、次に何を読むかの方向性が整理できてよかったと思っています。

 最後。歴史と関係ないコミックの話です。

 新年会で王道スポ根青春漫画『あさひなぐ』の情報を仕入れ、2次会で終電がなくなったので、金曜夜だったこともあり、そのまま漫画喫茶で読みました。結局翌日12時頃までで20巻まで一気読みしてしまいました。帰りに18巻と21巻も買いました。私はあまり漫画は読まないので、恐らく今年の私にとっての漫画ベスト1は、このままこの作品になるのではないかと思います。18巻の三須英子の話と21巻の決勝戦の決着の巻は秀逸でした。こちらにこの10年間の宝島社のマンガベスト10がありますが、『あさひなぐ』が一度もはいっていないのが不思議です。まあ、スポーツ漫画そのものがほとんどまったく入っていないので、昨今ではスポーツ漫画はあまりアピールできないということなのかも知れません。

もうひとつ。私としては珍しく最近テレビドラマを見ています。フジCSで1月から放映されている『感情8号線』です。合計20年以上環七環八周囲に住んできたので、ドラマが面白いというより、身近なところがロケで出てくるので見ています。ドラマの中でも台詞で出てきますが、直線距離だと近いのに、電車だといちいち都心経由となり時間がかかって移動に不便なのが環八(環七も)沿いの特徴です(バスだと渋滞で時間が読めないので、通勤には向いていない)。私が住んできたのは杉並・中野区なのですが、田園都市線沿いに住んでいる友人が多かったので、若いころは自転車で用賀や上野毛あたりまではよく行きました。砧公園には世田谷美術館があるので、代々木公園や井の頭公園よりも訪問回数は多いのではないかと思います。そういうわけで用賀がでてこなかったのが少し残念です。まあ、私の場合、視聴といっても、こういう記事を書いたりしながら横で流しているだけなので、もしかしたら登場していて見逃したのかも知れませんが、、、

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by zae06141 | 2017-02-18 00:07 | 古代ローマ・ビザンツ関係 | Comments(0)
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