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古代世界の午後雑記(移行中)


「古代世界の午後」更新履歴と雑記
by Solaris1
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古代ローマの果て(2)「Roar」(400年頃のアイルランド)/末期ローマ映画/ローマと漢の邂逅を描く作品各種

 最初本記事を起こした時(6月初)は、「ロアー」の第三話だけの記事だったのに、段々追加が増えて、ついに三回(The Eagle/本記事/次回)分割することになってしまいました。「ロアー」も第八話まで到達したところ。

  その「ロアー」。紀元400年頃のアイルランドが舞台。あまり好きではない米Foxニュースの1997年製作。一話一時間で全13話。最初の八話しか見ていませんが、ロビンフッドのような冒険活劇。真面目に力を入れて一気に見るより、リラックスしたい時に少しずつ見るのがよさげな娯楽作品です。ちゃんと見たわけではなく、他のブログの映画紹介記事を書きながら、なんとなく流していただけなのですが、キャラが立っていてるのがいい感じ。なにより、「女王様」という言葉がピッタリの、ローマ軍の”女王”(主人公より存在感がある)と、ケルト部族の関係は、最後はどうなっちゃうんだろう、と、そのうち最後まで見てしまいそう(女王様とケルト族は基本的に対立してますが、抗争ばかりしているわけでは無いところが、面白いところ)。最初の二話だけ簡単に筋をご紹介します。

第一話は、アイルランドに残るギャング団と化したローマ私兵によるアイルランドのどこかの地方侵略と、現地ケルト部族の抵抗から始まり、部族長の息子と思われる主人公の結婚式で夫妻が野原に出ているうちに式場がローマ軍に襲撃され、部族の大半が虐殺される。主人公は部族を再結成してローマ軍陣地を襲撃。敵司令官を負傷させるが、司令官に止めを刺したのは、その愛人だった。そしてその愛人が、「ローマ人の女王」として、ローマ兵に君臨することになる、という筋。

第二話は、火薬を巡る物語。ロアーの部族とローマ軍双方に、火薬の知識を持った技術者が加わって、双方爆薬を使った兵器を作るが、ローマ軍側が作った大砲の威力に、ケルト部族は敗退する。下記がその大砲と、いかにも野蛮な感じのケルト部族。
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 女王様の本拠地。奥に、元は神殿だったと思える建造物が見える。
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 そして大砲。
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 大砲を奪うべく、女王様の陣地に、ローマ兵のふりをして忍び込む主人公達。
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 しかしあっさり見つかってしまい、大砲で処刑されそうになるが、一人が手に持っていた火薬を焚き火にばら撒き、それが爆発した混乱で脱出に成功する。

 Roarというのは、部族の"神聖な掛け声"のようなものみたいである。主人公コナーが、「ロアー」と大声で叫んで気合を入れたりする場面が出てきますWikiの番組紹介でも、「生命に力を吹き込む声の反響」とあります。現代ケルト音楽の題名でもあるようですね。番組のオープニングで、「知られている世界の果て」という、「ローマ世界の果て」を意識させる解説が入るのも、作品に奥行きを与えている感じがします。

※追記 その後第八話まで見進めたところ、第六話で魔法や妖術が登場してしまいました。本作のWikiでの紹介でも、イエスを処刑したローマ兵士ロンギヌスが400歳で登場すると記載があったものの、第五話までは、普通の呪術師のような感じだったのですが、第六話でとうとう、400歳だと口にし、「スタートレックに登場する宇宙人」のような容貌に一瞬変貌し、妖術を使いまくります。このまま魔法・妖術でまくりのファンタジー作品にはなってしまうのか、と危ぶまれたのですが、第七話では妖術は収まります。とはいえ、隠れた神域の中でロンギヌスの槍を見つけた主人公コナーが、突然ケルト族統合を進め始め、部族長会議を開いて連合を強化。一方ロンギヌスの回想場面が登場し、イエスを処刑した後、家に戻ると、妻と二人の息子が、急激に老化し、灰となってしまい、ロンギヌスは灰を持ってイエスの十字架の前で悔やみ、祈る場面が登場。最後は正気に戻ったコナーが槍を海に投げ捨てて終わるのでした。取り合えず第七話では比較的歴史ドラマ路線に戻った感じです。今後はどうなるのでしょうか。ところで、当初非常にインパクトのあった女王様は、第六、七話では存在感が希薄となってしまいました。これは少し残念。是非復活して欲しいところです。


 ところで、既に本ブログで紹介済ですが、未だに日本語版dvdが出ない、末期ローマ帝国映画・「The last Legion」の紹介記事へのリンクを再掲します。私は結構気に入っているのですが、原作の翻訳「カエサルの魔剣」の題名と表紙カバーが、アーサー王とかの、神話・伝説・ヒロイックファンタージーファンかRPGファン向けのイメージを与えるものだったのが歴史ファンの目にとまりにくくなってしまった一因なのではないかと思うのでした。まあ、興行的には、史実度の高い歴史作品を好む層より、神話・伝説ファン層の方が多そうなので、彼らターゲットにするのは理解できますが。。。末期ローマ帝国モノとしては私は結構気に入ってます。ただし、原作を読んでいるから楽しめたのであって、原作を読んでいない方の感想としては、田亀源五郎氏の感想が的確だと思います(「田亀源五郎's Blog」の
2008年10月22日の記事「"The Last Legion"」)。

 「Roar」と同様、帝国の果てを描いた作品として、「Edge of the Empire」という、文字通り「帝国の果て」という題名のタイ作品も昨年公開されています(予告編はこちらIMDbの映画紹介はこちら)。DVDも出ています。予告編を見ると、「Han empire」と出ているので、漢王朝の筈で、IMDbの紹介でも、Han dynastyと書いてあるので、漢王朝ものとなれば、dvdを買ってでも見なくてはいけない(個人的な義務)のですが、予告編を見ると、あからさまに面白くなさそう。。。。そもそも漢王朝時代のタイ人は、現在の中国・華南地方にいた可能性が強く、もし舞台が華南なのであれば、新品なのに£3.50しかしないので購入してもいいのですが、UKアマゾンの評に、「神話。インドからタイまで支配した12世紀のHan Dynasty」などと無茶苦茶な事が書いてあるので、タイの神話の映画化なのかも。

同様な東南アジアの神話映画で、ローマ帝国と漢王朝の王子と王女の結婚と言うテーマを描いた「Clash of Empires: Battle for Asia」という、今年公開されたばかりのマレーシア映画があります。DVDと予告編とでは、タイトルが異なっているので、公開時に題名を変えたのかも知れません。
予告編の題名は、「The Malay Chronicles: Bloodlines」
DVDの題名は、「Clash of Empires: Battle for Asia」
(IMDbには予告編のタイトルで掲載されています
「The Malay Chronicles: Bloodlines」とは、通常「Sejarah Melayu」または「Malay Annals」と英訳されている、16世紀のマレー王統記(スジャラ・ムラユ)」の事だと思っていたのですが、全然別で、「Hikayat Merong Mahawangsa」という同じ16世紀の年代記的文学作品が元ネタとのこと。漢とローマの邂逅なんて、まさに私のためにある映画!!!コレハ買わねば。と思ってアマゾンの感想を読むと、酷評されてますね。一番上の感想は、この人だけで、「What a terrible waste of money.(訳すとニュアンスが伝わらないかも知れないので原文のまま)」「マレー映画を見るのは初めてだが、こんなのを見てしまうと今後見るかどうか疑問だ」「筋は無いも同然」「これまで見た映画の中で最悪のアクション」「エドウッドの方がまし」「人生の107分を無駄に過ごすな」「「ゴールデン・ターキーアワーズ」(1980年に出版された史上最低の映画を扱った批評本)レベルだ」など、これ以上無いというくらいの罵りぶり。ここまで酷いと、さすがに考えてしまいますね。。。。*1映画の筋は、Wikiにも記載されているし、スルーでいいかな。それにしても、恐らくは、大航海時代に東南アジアに到達した欧州人から伝え聞いたことからの創作だとは思うのですが、ローマと漢の王子と王女の結婚を描いた創作物が、16世紀のマレーシアにあったとは知りませんでした。下記はそのローマの王子と漢の王女が出会う場面。
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予告編はこちら(英語字幕入り。この中でも、「世界の果て」という言葉が出てきます)。なお、先ほどのアマゾンの酷評のお陰で、ローマ人が古代中国にいたる、「Empire of the Dragons」という小説を知ることができました。以前、「THE PARTHIAN INTERPRETER: An Odyssey of the Later Empire 」という、マルクス・アウレリウス帝時代、ローマ人とパルティア人が中国に到達する内容の小説を購入したことがあるのですが(結局まだ未読)、ローマと漢の邂逅にロマンを感じている人は多いのでしょうね。。。。でもいづれの作品も低評価。内容的に無理があるのかも知れませんね。。。

*1 結局本作も、最近ネットに上がっているのを発見し、見てしまいました。私としてはまあまあ面白かったので、IMDbやAmazonの酷評が少しわかりません。せっかくなので、次回感想とあらすじを記載したいと思います。

 最後、「ビザンティウムの東の物語(East of Byzantium saga)」という、3世紀から5世紀頃のアルメニアを扱ったRoger Kupelianという方のコミック・ノベルの、451年のヴァルダン・マミコニヤンに率いられたサーサーン朝への反乱の決戦アヴァライールの戦いを扱った映画が製作中のようです。こちらにその映画サイトのホームページがあります。これによると、「At the Edge of Rome」と書いてあり、「ローマの果て」ということで、これも「果て」映画の一つ。2010年7月版の予告編がこちらにあります。サーサーン朝を扱った映画なので、戦争映画といえど、是非視たい!と思ったのは一瞬。予告編を視て見る気が失せました。なんかゲームのCG映像を視ている感じ。「300」と似たような印象。しかも、映画ホームページのブログを観ると、今年になって一回(6/8)しか更新されていない。IMDBの映画情報では2011年という年号が入っているのに、カテゴライズすらされていない状況です。これはきっとこのままお蔵入りしてしまうのかも知れません。アルメニアのことだから、きっと旧ソ連時代に、各共和国で作られていたような民族主義映画はあるのだろう、ヴァルダン・マミコニヤンの反乱のようなものはまず第一に挙げられる題材の一つだろう、と思っていたのですが、今のところ発見できておりません。その、451年の反乱を描いた作品がいよいよ登場するのか、と思ったらこれとは。。。。なんかがっかり。グルジアのダヴィド4 世(在1089-1125年)が、1121年8月12日、Didgori近郊でセルジューク軍を破った戦闘を描いた2009年グルジアの製作の、「Didgori: Land of Sacrificed Knight」の方はまだ期待できそう。

by zae06141 | 2011-07-18 19:20 | 古代ローマ・ビザンツ関係
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